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中国茶&中薬でセルフメンテナンス

2009年9月7日

お茶の効能アップ!手軽に使える中薬

今まで9回にわたり、中国茶の種類、効能、そして症状に合わせた選び方を紹介してきました。お茶が体に良いと言っても、体の状態によって、飲んで良いお茶と、避けた方が良いお茶があるのをご理解いただけたでしょうか?体が火照っている時は白茶、緑茶、青茶(ウーロン茶)、菊花茶、冷えている時はウーロン茶でも温性の鉄観音茶、紅茶、黄茶、黒茶(プーアル茶)です。特に一年中暑いシンガポールでは冷たい飲み物につい手が出ますが、気をつけないと体表は熱いが内部は冷えて、生理機能が滞り、免疫力が低下してしまいます。防御力が弱くなると、風邪を引きやすい、汗をかきやすい、手足だけ汗をかく、足は冷えるが顔や頭部にだけ汗をかくなど、体温調節に異常が見られるようになります。そんな時は生姜茶、あるいは生姜紅茶を飲んでください。火照っている人は、少し冷ましてから。この2つのお茶は万能薬茶ですから、ぜひ覚えておいてください。

 

 

さて、選んだ中国茶を基本とし、もっと効き目を高めるためには、中薬を配合します。まず自分の症状を、しっかり見てください。症状に合っていないものを口にすると逆効果なので、くれぐれもご注意を。ここでは、皆さんがスーパーへ買い物に行ったついでに、乾物品コーナーなどで手に入りやすい中薬をご紹介します。(写真協力:漢方ナビ

 

スクリーンショット 2015-07-01 23.57.14大棗(紅棗)
(1)脾臓と胃を養い、気を補う。(2)血を養い、精神を安定させる。
生姜+大棗=気血を調和する。1杯に1粒。
料理に使う時は、砂糖の甘みの代わりとして使用します。煮物には、400ccの煮汁に3粒から、スープには600ccに3粒から、作る量や各自の好みに応じて数を調整します。3~4人分で8粒程度にし、多過ぎないように気を付けてください。

 

スクリーンショット 2015-07-01 23.57.19クコの実
(1)肝臓と腎臓の陰気(潤い)を補う。(2)目を養う。
菊花+クコ=肝臓を補い、目を養う。600ccの熱湯に菊花3~6個とクコの実ひとつまみ(10~15粒)を入れ、3~5分間蓋をして蒸らす。
炒め物、スープ、炊き込みご飯などに、3~4人分で20粒ぐらい使用します。胃腸が弱く下痢気味の人は、食べないでください。

 

スクリーンショット 2015-07-01 23.57.22当帰(1)血を補い、血液循環を促す。(2)痛み止め。(3)腸を潤す。(4)女性の生理を整える。
お茶600ccに長さ3センチの当帰を2~3枚入れ、3~5分間蓋をして蒸らす。
スープ3~4人分には、長さ3センチの当帰を4~6枚入れます。小学生以下の小さいお子さんがいる場合は、量を半分にしてください。

 

以上3種類ですが、生活の中に徐々に取り入れ、体調回復および体調維持にお役立てください。

次回から、家庭で作る薬膳をご紹介します。皆さんのご意見もお待ちしておりますので、アジアエックス編集部までメールでお寄せください。

文=島田久仁子(Kuniko TCM & Healthcare 中医師)

1991年来星。針灸師の教育を受け、診療所に勤務。「天気ヘルス」を設立し、太極拳、気功、骨格運動、家庭の中医学等、自己の治癒力を高める指導を始める。当地の厚生省による中医師及び針灸師国家試験制度の実施にあたり、新加波中医学院にて6年修業。国家試験を経て中医師及び針灸師として認定登録。新加波中医師公会会員。恩師曹光裕博士に師事。中華医院所属。現在「天気ヘルス」を「Kuniko TCM & Healthcare」と改め、上記の指導に加え健康相談及び治療を行っている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.152(2009年09月07日発行)」に掲載されたものです。

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