2014年5月19日
【第8回】投資信託とその選ぶポイント
第7回のコラムでは、自己資金以外のお金を活用した投資方法として「レバレッジ投資術」についてお話させていただきました。
今回は、「投資信託とその選ぶポイント」についてお話したいと思います。
投資初心者は何に投資すればいいのか?
初めて自分で選ぶ投資を行う方におすすめの金融商品は「積立の投資信託」でしょう。
「投資信託」とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品のことで、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品のことを言います。
「投資信託」には、株式に投資するもの、債券に投資するもの、不動産に投資するもの、先進国に投資するもの、新興国に投資するものなど、幅広く種類があります。
投資信託は、少額から始められ、個人投資家が活用できる、最も基本的な金融商品と言えるでしょう。
この投資信託を毎月決まった金額ずつ購入することが先ほどの「積立の投資信託」になります。
この「積立の投資信託」を行うことで、以前コラムでお伝えした「投資先の分散投資」「投資商品の分散投資」「時間の分散投資」という3つの分散投資手法を用いることができ、リスクを軽減することが可能になります。
投資信託を選ぶポイント
自分で投資信託の銘柄を選択することは、初めはとても難しいことだと思います。
そこで、参考として、投資信託のチェックポイントをお話しますね。
まずは、下記4点をチェックしましょう。
- トータルリターン
分配金調整後の過去のそれぞれの期間(1ヵ月〜10年)の成績を確認する。 - リスク
過去のそれぞれの期間(1ヵ月〜10年)の値動きを確認する。
(最大どれくらいの損失幅があったか、など) - 販売会社
どこの証券会社で扱われているかを確認する。 - コスト
販売手数料、信託報酬、信託財産留保金がいくらかを確認する。
次に、投資信託の銘柄選択を行う上でのポイントをお伝えします。
- 20代〜40代は、時間を有効活用して長期で積立ができるため、初期はリスクを高く取りにいっても良いでしょう。「海外株式インデックス投資信託」・「海外REIT」などを銘柄にくわえるのもOKです。
- 50代や60代の退職世代は、基本的に、年金に頼りながら貯蓄を切り崩す生活になるので、利益を狙って大きくリスクを取り、元本を減らすようなことは、避けなければなりません。
- 基本的に、債券→不動産REIT→株式、の順にリスクとリターンは高くなります。
- 基本的に、株式は、先進国株式→新興国株式、の順にリスクとリターンは高くなります。
- 基本的に、不動産は、先進国不動産→新興国不動産、の順にリスクとリターンは高くなります。
- 先進国株式、新興国株式、海外不動産など海外の金融商品は、為替リスクが発生するので、きちんと為替リスクを把握し、注意を払いましょう。
いかがでしたでしょうか。
「積立の投資信託」について基本的なお話をさせていただきました。
もしかしたら、情報が多すぎてまだ消化できていないかもしれませんね。
専門的な内容も多かったので、もしわからないところがあったら気軽にメールしてくださいね。
知識や情報を集めることももちろん大切なことですが、少額でいいので、実際に動いてみて、試行錯誤しながら投資を覚えていくことも大切です。
ぜひ、まずは手を動かして、投資信託の世界を知ってみましょう。
その上で、投資信託の入門書、専門書を一冊ずつ読む、有志による勉強会やセミナーに参加するなどを行うことで、投資信託についてかなり深く知ることができるはずです。
ぜひあなたの資産運用に活かしてくださいね。
次回は、「シンガポールで積立の投資信託を行う方法」についてお伝えします。
プロフィール
三方 麻琴(Mikata Makoto)
M&R Partners Pte. Ltd. Managing Director
– Official site: http://mikatamakoto.jp
– Official blog: http://mikatamakoto.jp/blog.html
– Official mail magazine: http://mikatamakoto.jp/mailmaga.html
※この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.257(2014年05月19日発行)」に書ききれなかった内容・補足をご紹介しています。