2016年9月19日
動物と快適に共存する社会を目指して SPCAシンガポールと猫博物館の活動
動物と共に歩む社会を目指して
動物と共に歩む社会を育むため、シンガポールでは政府主導でさまざまな試みが行われています。その1つが「ラブ・キャット・パイロットプロジェクト」。HDBでの猫の飼育は規則上禁止されているものの、実際には多くの猫が室内で飼育されているという現状をふまえ、住民間のトラブルを解消するために行われている実験的プロジェクトです。北部のニー・スーンのHDBで飼い猫の登録を義務付けたり、団地内の40ヵ所に共同の餌やり場を設けたりするなど、地域全体で猫を大切にする試みがされています。
そして民間団体の活動としては、「猫保護協会(Cat WelfareSociety)」によりMRTブギス駅近くで「猫博物館(The Cat Museum, Muses & Mansion)」という施設が運営されています。この施設は野良猫の保護、里親探しを目的として設立され、ここで暮らす猫と人間を繋ぐ場(居住施設)があります。2015年1月の開館イベントには前述の「ラブ・キャット・パイロットプロジェクト」推進の中心人物であったK.シャンガム外務・法務大臣が参加しました。
政府も民間もそれぞれのやり方で相互理解を深め、「動物と快適に共存する生活」の実現を目指しています。動物が飼える人も、飼えない人も、飼いたくない人も笑顔で生活できる環境を模索する姿が垣間見えました。
SPCA シンガポール
www.spca.org.sg
猫博物館(The Cat Museum, Muses & Mansion)
www.thecatmuseum.com.sg
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.310(2016年9月19日発行)」に掲載されたものです。 取材・写真:森迫 紀子