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熱帯綺羅

2016年1月1日

世界の市場で存在感を発揮 シンガポールを鮮やかに彩る国花「ラン」

美しいピンクの可憐な花を咲かせるパピリオナンセ・ミス・ジョアキム。幅5センチ縦6センチと大ぶりのラン。

 

今や世界のランの切り花の15%を占めると言われるシンガポールのラン。しかしランと一口に言っても世界には2万5,000~3万種類が存在しているのをご存知でしょうか。被子植物の中で最も種類が多く、地球上の植物の約1割を占めていると言われています。シンガポールの国花である「パピリオナンセ・ミス・ジョアキム(Papilionanthe Miss Joaquim)」をはじめ、ジャングルが島土を覆っていた昔はシンガポールにも約180種類ものランが自生していたと言われています。

 

シンガポールの国花 パピリオナンセ・ミス・ジョアキム

鮮やかな色と大きな花弁が特徴のシンガポールの国花、パピリオナンセ・ミス・ジョアキム。このランの発見は1893年にまで時を遡ります。当時、アグネス・ジョアキムという女性が自宅の庭を歩いていると、見慣れない花がふと目に留まりました。すぐに当時のボタニック・ガーデンの園長ヘンリー・ニコラス・リドレー氏に連絡したところ、新種のランと確認、登録されます。そして88年の月日を経て1981年4月15日、めでたく国花に指定されました。人間の手による人工的な交配ではなく、鳥やハチなどによる自然交配によって生まれた種だという点が大変貴重で、国花にふさわしいという理由だったそうです。
そのほかにも現在シンガポールで自生するランはいくつかあり、中でも珍しいのは花弁がトラ模様の通称タイガーオーキッド(Tiger Orchid)。株の大きさは世界一で、大きくなると2トンにまで成長します。花を咲かせていないと、とてもそれがランだとは想像できない大きさです。このランは公園や動物園で見かけることもありますが、実はこれらは全て輸入されたもの。近代化に伴う自然破壊により、元々シンガポールに自生していたもので現存しているのは、ボタニック・ガーデンにある株のみ。周りが柵で囲われているので、どれがその株かすぐにわかるでしょう。

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