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熱帯綺羅

2009年8月17日

熱き料理人を魅了した、チキンライスの底力

シンガポールにまつわるブログを探してたどり着いたのが、小柴茂樹さんのブログ「Singapore Food Blog」。

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イェットコン(逸群)の店内

馴染みのあるローカル料理の数々について、専門的な視点から、その材料、作り方、歴史、文化など、奥深く語られている上、バイリンガル表記なのです。

それもそのはず、ブログを綴る小柴さんは、もともと著名なアメリカの料理専門大学を出たフランス料理のシェフであり、都内二ヵ所にあるシンガポール料理の海南鶏飯食堂のオーナー。

東京を拠点に、年に3、4回はシンガポールを訪れるという小柴さん。

「前世はきっとシンガポール人」と自負するまでこよなくシンガポールとその食を愛するその心とは。

不惑の年を迎え、現在3店舗目の出店を計画中だそうで、折良くも、新店舗のコンセプトをまとめ上げるために来星した小柴さんにお会いしました。

子供時代のチキンライスとの出会いがルーツに

小柴さんとシンガポールの最初の縁は、遡上ること30年前。父親の長期出張について3人姉弟で来星した当時、仕事で忙しい父親から食事代を渡され、8才の小柴さんは姉弟と共に日々ローカル料理を食べ歩いたそう。

その時に出会ったのが、海南チキンライス。鶏スープで炊き込まれたご飯とジューシーな鶏肉、その味は、ずっと小柴さんの記憶に残りました。

都内のインターナショナルスクールを卒業後、小柴さんはロンドンの大学で経営学と哲学を専攻。帰国後に一度日本で就職するも、食の作り手としてクリエイティブな道を追求するために、食のエリートを数々輩出しているザ・カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカへ入学。

フレンチシェフとして卒業した小柴さんが修業先に選んだのは、当時著名なシェフが招かれていたシンガポールのラッフルズホテルでした。滞在中、幼少のころのシンガポールの思い出の断片をあちこちに見つけながら、多くの人々と出会い充実した日々を半年過ごして帰国します。

その後、現在のビジネスパートナー、中西紫朗さんと意気投合してシンガポール料理の魅力を再確認、海南鶏飯食堂を立ち上げるに至りました。

中西さんとシンガポールを訪ね、人気店の味を食べ尽くして考えたメニューやコンセプトは、開業にこぎつけるまでの幾多の苦労を乗り越えて、麻布と恵比寿の二店で体現されました。今や本場の人も太鼓判を押すまでに。

「空輸の材料もありますが、日本で手に入る材料を最大限活かして、自分たちが納得できるものを店で出しています。特にウチのチキンライスのチリソース、ご飯はおいしいですよ。」と胸を張る。

海南鶏飯食堂を訪れる人達が、ご当地で食べた経験の有無に関わらず、美味と感じてくれるものを作りたい、と語ってくれました。

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海南鶏飯食堂オーナーの小柴茂樹さん

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