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熱帯綺羅

2009年9月7日

旅情あふれる鉄道の旅はタンジョン・パガー駅から

駅弁の代わりにラムリー・バーガー

駅舎に入るとまず高い天井、それにアーチ型の窓のステンドグラスや壁画などに驚かされます。広々としていて、あちこちの壁に備えられている頑丈そうな扇風機からは、心地よい風が送られてきます。そしてその風に乗って流れてくるのはマレー料理のスパイスの香り。レールウェイ・フードコートにはマレー料理の店が多いのです。

残念ながら「駅弁」はありませんが、テイクアウトできる食べ物を発見。さっそくその店をのぞいてみると、「ラムリー・バーガーのスペシャルをお持ち帰りできます」とのこと。ラムリー・バーガーとはマレー風バーガーで、ビーフまたはチキンのハンバーグを卵焼きで包み、それをバーガー用のパンにはさんだものです。こんなアツアツのラムリー・バーガーを持って、のんびりとマレー鉄道の旅に出かけてみるのもいいかもしれません。

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駅構内の表示はマレー語と英語の二言語になっている。

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ラムリーバーガーを作っているのもマレー人の女性。

 

 

マレー鉄道で国境越え

海外旅行、というと飛行機に乗ることを考えますが、お隣のマレーシアへ行くには陸路が便利です。自分で運転したりバスに乗るのもいいですが、鉄道の旅もなかなか。最初の駅・ジョホール・バルまでは1時間もかかりませんから、遠足気分で出かけられます。もうちょっと足をのばすと、マラッカの少し手前で鉄道は西側を走る線路と半島の中ほどを通り抜ける線路に分かれます。西側を行くとクアラルンプールまで約6時間40分。マレー半島をさらに北上してペナンに近いバタワースまで行き、そこで乗り換えてマレーシアとタイの国境を越え、ハッジャイまでは全行程20時間以上。2度の国境越えを経験し、3国に足跡を残す壮大な旅です。(シンガポール~クアラルンプール間は1日3回運行)

せっかくタイまで行くならバンコクまで行きたい、という方にお勧めなのは有名なイースタン・オリエンタル急行。食堂車での豪華な食事も楽しめて、贅沢を極めた鉄道の旅を味わえます。バンコクからはチェンマイ行き、そしてビエンチャン行きもあります(シンガポール~バンコク間は月に1~3回ほどの不定期運行)。

いつか時間がたっぷりできたら、ここからインドシナをめぐる旅に出てみたい、とタンジョン・パガー駅のホームに立つと夢が広がってきます。

Tanjong Pagar Railway Station

30 Keppel Road 089059

30 Keppel Road 089059

文= セガラン郷子
写真=Eugene Chan

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.152(2009年09月07日発行)」に掲載されたものです。

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