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熱帯綺羅

2010年2月1日

国際色豊かな祭典 チンゲイ・パレード

毎年旧正月の直後に行われる「チンゲイ・パレード」は、シンガポールでこの時期に欠かせないイベント。チンゲイ(Chingay)は、マレーシアのペナンで旧正月を祝って行われていたパレードが起源と言われています。19世紀には、福建語で「仮装と仮面の芸」を意味する「チンゲイ」という言葉が使われ始め、マレーシア各地に広まっていきました。1960年代頃のジョホールで行われていたチンゲイでは、中国の伝統芸であるドラゴンダンスやライオンダンス、「スティルト(stilt)」と呼ばれる木製の竹馬のような長い棒を足につけてパフォーマンスを見せるスティルト・ウォーカーなどが主役でした。

2009年のチンゲイ・パレードのオープニングにて、シティーホールの階段に参加者が勢揃い

 

シンガポールの「チンゲイ・パレード」

シンガポールでチンゲイ・パレードが始まったのは1973年。その前年の旧正月シーズンに爆竹による死亡事故が発生、爆竹が使用禁止になったことがきっかけでした。爆竹を盛大に鳴らして旧正月を盛り上げるのは中華系の人々にとって大きな楽しみのひとつ。爆竹の禁止は、やむを得ないこととはいえ多くの人をがっかりさせました。そこで、当時のリー・クアンユー首相が人民協会(PA)に提案したのが、ペナンで行われていたチンゲイの開催でした。

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2006年、オーチャード・ロードで開催されたチンゲイ・パレードでの日本人会チーム

1973年2月に初めて開催されたチンゲイ・パレードには約2,000人が参加。当時の参加者はすべて中華系の人々でした。それから30年以上の間にチンゲイ・パレードは大きく変化。1976年からは中華系だけでなくマレー系やインド系など他の民族も参加、彼らの持つ伝統芸能や音楽がパレードに加わりました。1987年からは外国人がパレードに参加、チンゲイ・パレードは現在、シンガポール国民以外にも広く門戸が開かれ、いろんな文化が入り混じった国際的でユニークなイベントとなっています。シンガポール日本人会は2003年から参加。毎年日本の伝統である着物、ハッピなどを取り入れたユニークなコスチュームでパフォーマンスを披露しています。また、海外からも毎年複数のチームがチンゲイ・パレードのために来星しており、今年は台湾やタイのチームとともに、日本から福島県浪江町のよさこいチーム「Wonderなみえ」が参加します。

チンゲイ・パレードのコースは、数十年の歴史の間に何度か移り変わりました。かつてはジュロンやトア・パヨなど、主要な住宅地を回っていましたが、1985年からは中心部のオーチャード・ロードで行われるようになりました。その後、2008年、2009年はマリーナ・ベイ地区に移り、さらに今年はF1トラックのピット前で初めて開催されます。

チンゲイ・パレードの中でひときわ目を引くのが巨大フロート。今年は12のフロートが登場する予定で、チンゲイ・パレードの公式サイト内でコンテストも行われます。中国では古くからお祝いの時に小型の台を飾り立てて行列を作り、台の上で人が踊ったり手品を見せたりしながら回っていたことから、チンゲイにも取り入れられたようです。はじめは人が担いで運ぶものでしたが、やがてロバなどに引かせるようになって次第に大きくなり、現在シンガポールで行われているチンゲイ・パレードではトラックを使った巨大なフロートがパレードを盛り上げています。

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