2010年5月3日
デザインと遊び心のあるチョコレート「Chocolate Research Facility」
シンガポールのデザイン・グルの甘い野望
2010年の春夏シリーズとして新しくデビューしたのが「Cities Series」。その名の通り、世界各都市らしいユニークなフレーバーのチョコレートが勢揃い。シンガポールはドリアン風味のミルクチョコレート、東京はサクラ風味のホワイトチョコレート、ニューヨークはプレッツェル入り、バンコクはトムヤム風味、ウォッカ入りのチョコレートはもちろんモスクワ、など、パッケージもその都市の地図をデザインにした小粋なものです。季節毎に発表される新作といい、毎回テーマ毎に異なるデザインを纏うチョコレート達。まるでファッションの世界にも通じますね、という問いに、クリスさんもニヤリ。お店の真ん中の白い長テーブル、実はキャットウォークのランウェイに似せているんだとか。シンガポールのフレッドペリーの総代理店を務める等、デザイナーとしてだけでなく、プロデューサーとしても一流の手腕をふるう彼らしい仕掛けがそここにあるのを発見するのも、お店を訪れる楽しみのひとつです。
そのコンセプトやパッケージデザインは、広告デザインの権威ある賞として世界的に知られるD&AD LONDONや、 One Show New Yorkで受賞し、CRFを世界に知らしめ、今や20カ国からフランチャイズや出店の招きもあるほど。今後は焦らずじっくり考えますと笑うクリスさんに、”Las cosas claras y el chocolate espeso.”(アイディアはクリアに、チョコレートは濃くあるべきだ)というスペインの諺がふと浮かびます。世界に進出する新たなシンガポール・ブランドとしての可能性を十分秘めていることは、いうまでもありません。
Chocolate Research Facility
9 Raffles Boulevard, #01-30, Millenia Walk, S039596
Tel: +65 6338 5191
501 Orchard Road, #02-10, Wheelock Place, S238880
Tel: +65 6235 8595
文= 桑島千春
写真=Eugene Chan
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.166(2010年05月03日発行)」に掲載されたものです。