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熱帯綺羅

2010年6月21日

エンターテイメント産業に直結。デザイナー育成の現場「FZD」

「自分が仕事を選び、仕事に自分が選ばれることなかれ」

フェンさんは、デジタルゲームが登場した90年代に育ち、建築、プロダクトデザインを学んだ後、LAを拠点として、数々の映画、ゲーム、コマーシャル、フィギュアなどのデザインを手がけ、スティーブン・スピルバーグ、ジェームズ・キャメロンらと直に映像デザインの仕事をする等、若くして高収入を得ながら成功を納めた。そのキャリアが頂点に達して以降、教育の現場に立つ事も増え、次世代に関わることを考え始めたという。現在はフリーランスの仕事をしながら、FZDの代表を務めている。

FZDの入学者数は毎期20名前後。3名の講師とともに少数精鋭がモットーだという。生徒は、美術学校出身やゲーム会社のデザイナーとしての経験を持つ人も多いが、以前から描く事が好きだったものの自活のためにシェフとして働いていた、という全く未経験の人もいる。1年間で、アイデアを具象化する素描、ペンタブレットなどデジタルツールの使用法、課題解決のアプローチ法、デジタルマットペインティングなどの技術の他、業界のビジネスの仕組みも同時に学ぶという。

「自分が仕事を選び、仕事に自分が選ばれることなかれ」と、フェンさんは一流のプロを目指す生徒達へ期待を込めて言葉をかける。また、あらゆる経験を大きなマーケットで積んで欲しいことから、チャンスがあれば欧米や日本での就職をすすめている。

欧米からのFZD入学希望者も増えている現在、シンガポールから世界に通用するクリエイティブのプロが多数生まれることで、次世代のクリエイティブ産業の世界地図にそのプレゼンスを示すきっかけになるだろう。

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FZDスクールオブアーツ創設者でデザイナーのフェン・ズーさん。

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FZDスクールオブアーツの学生作品の展示。スケッチから緻密に描き込まれた作品の数々。

FZD School of Design

200 Middle Road #16-01 Prime Center 188980

TEL:6334-9258

文= 桑島千春
写真=Eugene Chan

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.169(2010年06月21日発行)」に掲載されたものです。

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