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熱帯綺羅

2012年1月1日

官民一体のアートコミュニティー「グッドマンアーツセンター」

 

アートの可能性と新たなコラボレーションに注目

4階建ての旧校舎の建物には、カラフルなドアのあるスタジオが多数あり、その向こうで日々個性的な活動が行われています。GACのテナントが皆アーティストやクリエーターですから、コミュイティーの中にお互いを刺激しあいながら、何か新しいものが生まれ出る空気が常にあります。テナントの1人である、LA LIBRERIAを主宰するブック・アーティストの平島枝理子さんは、GACの環境について、「様々な分野の方が入っていて偏らない枠組みが気に入っています。テナントは、それぞれの分野で経験を積まれた方々なので、将来何らかの形でコラボレーションができればと楽しみにしています」と語ります。また、シンガポールの若手アーティストを代表する1人として知られるジャスティン・リーさんも、スタジオで2012年5月にシンガポール美術館にて展示が予定されている大型の作品制作を行いながら、「GACには、シアター、映像、広告、伝統的な中国オペラ、書籍、マンガにいたるまで多様な分野に携わるクリエイティブなテナントがいて、彼らと交流できることが一番のメリットです」とのこと。加えて、「分野の垣根を越えてもスムースに仕事や企画が運ぶよう、NACに相談窓口か、アドバイサリースタッフがいると助かります」と平島さん。「今後は、個々のスタジオに洗い場を設置するなどテナントのニーズにあった施設の整備と、GACで開催されるアート関連のイベントが増えるといいですね」と、リーさんも期待をこめます。

 

国内でのアーティストの育成やコミュニティーの成長を促すために、継続性のある仕組みづくりのパイロットプロジェクトとしても位置づけられているGAC。今後生まれるコラボレーションが楽しみなのと同時に、他のアーティスト達のスタジオ不足も解決すべく、新たなセンターの誕生へ繋がることを願ってやみません。

 

90 Goodman Road Singapore 439053

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.203(2012年01月01日発行)」に掲載されたものです。
文= 桑島千春
写真=Eugene Chan

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