2012年1月1日
官民一体のアートコミュニティー「グッドマンアーツセンター」
世界のアート地図にその存在を確実に示すほど、シンガポールの国を挙げてのアートへの取り組みは、近年大きな成果をもたらしています。世界水準のインフラ整備がほぼ整い、今後は、シンガポール国内にある優れたアートの才能を育成し、国民がよりアートに親しむための環境づくりの支援に国として注力していくとされています。その取り組みのひとつとして、2011年からシンガポール芸術庁(NAC)のイニシアチブで始動したグッドマンアーツセンター(GAC、Goodman Arts Centre)があります。
アートコミュニティー支援のパイロットプロジェクト
GACは、ラサール美術学校の創設者故ブラザー・ジョセフ・マクナーリが、1984年に最初の校舎を創設したマウントバッテンロード沿いの場所にあります。学校跡の3.08ヘクタールの広大な土地との建物がそのままGACとなりました(ラサール美術学校は、2007年にミドルストリート近くへ移設)。
現在、各方面で活躍するアーティストやクリエーター、伝統芸能の団体など46のテナントを抱え、大小の貸しスタジオ、ギャラリー、シアター、また大きなオペラなどにも対応できる大型のリハーサルスタジオなど計35のスペースを擁しています。また、特筆すべきは、NACのオフィスも同じ敷地内にあるということ。シンガポールにおいて、様々なアート関連の活動上のルールや、助成金を采配するNACが、アーティスト達のそば近くにあるということは、彼らにとって好都合であり、アートをシンガポール社会へ浸透させたいNACにとっても、実状にあった仕組みづくりがし易くなるなど双方に有益な環境といえます。GACでは、定期的に開催される展覧会やパフォーマンスの他、年に数回オープンハウスを企画し、一般の人々がアーティストのスタジオを訪れたり、陶芸や絵画などのアクティビティーに参加できる機会を設けるなど、着実な活動が行われています。
www.justinleeck.com
www.lalibreria.com.sg