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熱帯綺羅

2012年4月2日

アンサナの木陰に人情横町「チャンギビレッジ」

 

古き良きを守ることと、時代と共に進化すること

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ジェイコブズ・カフェとオーナー夫妻。主人のリム・トゥスーンさん(右)は、カフェでの出会いとチャンギビレッジの歴史を『Tell it @ Jacob’s Cafe』として上梓。(Jacob’s cafe, Tel: 6543-1106)
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チャンギビレッジロード、ブロック5の界隈。写真右端がジェイコブズ・カフェ。

まるで「西部劇のゴーストタウン」のような時代もあったというチャンギビレッジに、現代の新風を吹き込んだのは、まさにこの2人のカフェ経営者たち。アンサナの木陰の通り沿いには、今でこそ居心地のいいアルフレスコのカフェやバーが立ち並びますが、以前この一角は商店のみで飲食店の経営が認められていませんでした。商工会の代表として国会議員や国に掛け合い、飲食店経営の許可を勝ち取ったり、建物の路肩などの整備を国にアピールしたりと、一歩づつ現在の姿に近づく努力をしました。

 

その一方で、60年代の往時、チャンギにかつて駐屯していたという退役英国軍人やその家族が、当時のミルクバーの写真を携えてこの地へ訪ねて来れば暖かく迎え入れ、当時の人脈を繋ぐ連絡先になるなど、歴史を今に引き継ぐ役割をも果たしています。

 

ビールを片手に日々紡がれるチャンギビレッジのストーリーをあれこれ聞いていると、日も暮れて行きます。目下、ビーチ沿いの一角が年末の完成を目処に再開発されるなど、着実に存在感を増す途中にあり、シンガポールのライフスタイルの多様化にも見合う、注目のエリアになりそうです。

 

5 Changi Village Road singapore 500005

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.209(2012年04月02日発行)」に掲載されたものです。
文= 桑島千春
写真=桑島千春

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