シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX熱帯綺羅TOP24時間365日市民の生活を守るセントラル消防署を訪ねて

熱帯綺羅

2014年3月3日

24時間365日市民の生活を守るセントラル消防署を訪ねて

 

「ライオンハート」災害救援隊、世界の被災地へ

 

スクリーンショット 2015-07-02 11.28.05あまり知られていないものの、シンガポールには2つの特殊救援部隊があります。ビル倒壊などの大事故のレスキュー作業に当たるDART(Disaster Assistant Rescue Team)と、石油精製や薬品工場などで特殊火災や事故の処理に出動するHAZMAT(Hazardous Material)部隊。厳しい訓練を経て選ばれた消防士だけが入隊でき、国内外で技術を身につけた精鋭として若い消防士たちから羨望と尊敬を集める存在です。セントラル消防署内に併設された市民防衛ヘリテージギャラリーでは、彼らの活躍の様子を描いた展示もあります。国連の国際捜索・救助諮問グループ(INSARAG)からも公式にUSAR(都市型捜索救助隊)として認められており、2009年にインドネシアのスマトラ島沖地震、2011年にニュージーランドのクライストチャーチで起きたカンタベリー地震、東日本大震災などに出動しました。

DARTを引退しギャラリーでガイドを務めるS.セガールさんは、DART現役時代に自分が訓練した救助犬とカンタベリー地震の救援に参加。がれきの下から生存者を発見するなど活躍しました。「人命を助ける使命に国境はない。次世代のリーダーたちを育成するために自分の経験が活かせたら」と言います。

ギャラリーの1階には、1906年当時蒸気エンジンで動いた消防車や、水タンクを搭載する以前、川から水をくみ上げて消火にあたった時代の消防車が美しく磨かれて展示されています。歴代の消防士や救急隊員たちの誉れ高きプライドを映すかのようです。

 

 

スクリーンショット 2015-07-02 11.07.31

62 Hill Street Singapore 179367

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.252(2014年03月03日発行)」に掲載されたものです。
文= 桑島千春
写真=桑島千春

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX熱帯綺羅TOP24時間365日市民の生活を守るセントラル消防署を訪ねて