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熱帯綺羅

2014年3月17日

世界初の二重らせん構造の橋 The Helix

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ザ・へリックスの北側の端に近い展望スペースからの眺め。橋としては軽量ながら強度があるので、橋の上に1万人が同時に乗っても耐えられるという。

 

Screen Shot 2015-07-27 at 2.44.04 pm2000年代後半から次々と新名所が誕生しているマリーナ・ベイ地区。シンガポールの新商業地区として国を挙げての開発が進められ、大規模でユニークな建造物が競うように建設されています。そんな中、やや脇役的な存在でありながら、建築関係の専門家たちの注目を大いに集める建造物があります。それが、有名な「マリーナ・ベイ・サンズ」にもつながる歩行者専用橋「ザ・へリックス(The Helix)」。“helix”は英語で「らせん」を意味します。由来はもちろん、らせん形であるその構造。隣に建設された車両通行用の橋「ベイフロント・ブリッジ(Bayfront Bridge)」とともに、2010年4月の開通時にその名が披露されました。

 

ザ・へリックスは、シンガポール川河口に歩行者専用の橋を架け、マリーナ・ベイ地区の水辺をぐるりと取り囲む遊歩道(約3.5キロメートル)を完成させる、という都市再開発庁(URA)による計画の一部として建設されました。公募された橋のデザインにはいくつもの要件がありました。都会的で美しいデザインであること、耐久性や保守性に優れていること、一直線ではなく緩やかにカーブを描いたものにすること、並走する車両通行用の橋の重厚感と対照をなす繊細で軽やかな印象を与えるものにすること――これらの要件をすべて満たすものとして提案されたのが、DNAを模した二重らせん構造。オーストラリアとシンガポールの建築設計事務所が共同作成した案で、2006年に国内外から応募された36の提案の中から選ばれました。

 

このプロジェクトでは、構造設計で世界的に有名な企業がコンサルタント・チームを形成、施工は日本の総合建設会社・佐藤工業が手がけるなど、様々な国の企業や人材が関わりました。国籍を問わず最先端技術の粋を集めることにより、世界初の二重らせん構造という画期的なデザインの橋が実現されたのです。

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