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熱帯綺羅

2014年3月17日

世界初の二重らせん構造の橋 The Helix

 

近未来的なデザインで訪れる人々を魅了

Screen Shot 2015-07-27 at 2.44.15 pmザ・へリックスの二重らせん構造は、普通のスチールよりも強度が高く浸食にも強い2相ステンレス鋼によって形成されています。南国の強い日差しを受け、水辺で銀色にきらきらと輝く姿は、青空にもよく映えます。
浮体施設「ザ・フロート@マリーナ・ベイ」のスタンド横にある階段を上がると、橋の北側の端にたどり着きます。らせん構造の中は橋全体がカーブしているために歩いていても先があまり見えず、近未来的なデザインとも相まって「この先には何があるんだろう?」とちょっとわくわくした気分に。

 

橋の途中には、楕円形の展望スペースが4ヵ所に設けられています。それぞれ100人収容可能で、マリーナ・ベイ地区全体はもちろん、中央商業地区(CBD)を象徴するシェントン・ウェイの高層ビル群まで一望できます。

 

夜になると、多色LEDライトが二重らせん構造を美しく浮かび上がらせます。ライトはコンピュータ制御で、イベントなどに合わせて色を変えることも可能。橋を歩くと、足元に丸い明かりが2つずつ並んでいます。よく見るとアルファベットのcとgのペアと、aとtのペアがあります。DNAを構成する4つの塩基を表したもので、それぞれシトシン(cytosine)とグアニン(guanine)、アデニン(adenine)とチミン(thymine)に対応。この組み合わせで水素結合し、DNAの模型などでよく見られる鎖状が形成されます。DNAに着想を得たデザインの橋であることがこんなところでも表現されています。ちなみに、通常DNAは右巻きですが、ザ・へリックスは左巻きです。

 

全長280メートルと端から端までゆっくり歩いても5分ほどで渡れるこの橋は、決して広く知られた存在ではありませんが、「シンガポール・フライヤーからマリーナ・ベイ・サンズへ向かって歩いていたら、思いがけず面白い橋があった」と喜ぶ観光客も多いようです。目まぐるしく姿を変え続けるマリーナ・ベイ地区の中で、これからもきらりと輝きを放ち続けることでしょう。

 

Screen Shot 2015-07-27 at 2.55.31 pm

 

The Helix singapore

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.253(2014年03月17日発行)」に掲載されたものです。
文= 石橋雪江
写真=石橋雪江

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