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熱帯綺羅

2014年8月19日

プラナカン女性の人生と共に。マレー風の噛みタバコ「シレー」

 

えぐみや苦みとともにさわやかな香りが広がる

スクリーンショット 2015-07-01 13.14.58プラナカンの人々に限らず、東南アジア全域で広く嗜好品として親しまれてきた噛みタバコですが、歯が黒く変色すること、口腔ガンの原因と警告されていることなどから、特に都市部では利用者が減少傾向にあります。
しかし、シンガポールにも噛みタバコを体験できる場所がいくつか残っています。その一つが、MRTシティホール駅近くの「ペニンシュラプラザ」です。
「リトル・ヤンゴン」の異名のとおり、ミャンマー系の店が立ち並ぶ館内を3階に向かうと、鮮やかな緑のキンマの葉を広げる噛みタバコの販売店がありました。
キンマの葉に液状の石灰を塗り、ビンロウジ、タバコの葉、カルダモン、ライムなどを包んで巻いてもらうと、3×2センチほどの噛みタバコが完成。口に入れて噛んでみると、強烈なえぐみや苦みとともにさわやかな香りが広がり、しだいに舌がスーッとしびれるような感覚が。唾液だけでなく、舌も赤褐色に染まります。
使用後もしばらく続く独特の高揚感、爽快感。口元を赤く染めながらゲームに熱中したというビビック(年配のプラナカン女性)たちが、少しだけ身近に感じられました。

取材協力

福岡かほり(シンガポールミュージアム日本語ガイドグループ)
ガイドグループでは、国立博物館、美術館、アジア文明博物館、プラナカン博物館の無料日本語ガイドツアーを開催。
http://jdguide.exblog.jp/

39 Armenian Street Singapore 179941

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.263(2014年08月19日発行)」に掲載されたものです。
文= 鈴木雪子
写真=石澤由梨子

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