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熱帯綺羅

2015年5月8日

天に響く太鼓、チームで力いっぱい漕ぐパドル「ドラゴンボートレース」

 

チームスピリッツがドラゴンボートの魅力

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SDBAの副会長でドラゴンボート歴30年のジョン・マクグラスさん。自身もオーストラリア商工会議所(AusCham Singapore)チームの現役パドラー。
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ジャパンドラゴンの皆さん。1999年に結成し、現在35名のメンバーがいる。日本人に限らず国際色豊か。随時体験パドリングを受け付けている。
問い合わせ先:jdragonboat@googlegroups.com

 

全長12mほどのスタンダード艇では、20人のパドラー(漕ぎ手)、太鼓を叩くドラマーと舵取りの合計22人が200m、500m、1000mコースのゴールを目指してそのスピードを競うドラゴンボートレース。

「だれがヒーローというわけでなく、性別、年齢を問わず20人で一つの舟を漕ぐ一体感。全員の漕ぎがそろい、チーム一丸となって前へ。舟が進むときの爽快感は他のスポーツではなかなか味わうことができません」と、在星日本チームのジャパンドラゴンズの副キャプテンでドラゴンボート歴2年半の横内奈緒さん。国内の公認機関であるシンガポールドラゴンボート連盟(SDBA)には、現在120ものチームが登録されており、日本を含め9ヵ国の企業や団体も含まれます。各チームで活動する人の合計は5,000人を超えているとか。SDBA副会長のジョン・マクグラスさんは、「チームが揃って練習した後は、皆でイーストコーストパークでバーベキューをするなど毎回親睦をはかっています。水上でも陸上でもチームスピリッツの醍醐味が味わえる。企業のチームビルディングや学生の課外授業としてドラゴンボート体験が取り入れられる所以もそこにあります」とその魅力を語ります。

今後は、SDBA認定のトレーニング修了証を発行するなど安全でパドラーたちが誇れるドラゴンボートを広めていきたいとしながらも、チームが年々増えていく中でボートなどの機材や道具を持たないチームのサポート強化や、十分に練習やレース開催ができる川や貯水池の確保など課題があるといいます。また、国際的には様々な便宜性も鑑みて、現在12人のスモール艇(全長9m)でのレースもメジャーであり、6人のチーム編成の試みなど、規模の縮小化が進むオリンピックでの正式種目採択に向けてもダウンサイジングが必要になるだろうとジョンさん。「現代のライフスタイルに併せて、仕事帰りなどに少人数集まればボートを漕げる身軽さも期待されている。伝統的な民間行事が現代に世界的なウォータースポーツのひとつにまでなった好事例、ますますパドラー人口は増え続けるでしょう」。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.280(2015年05月08日発行)」に掲載されたものです。

取材:桑島 千春

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