2013年9月1日
「ポジティブスパイラル」な組織作り
新東京国際グループ 司法書士法人・行政書士 新東京国際リーガル・パートナー STKアドバイザーズ(株)・取締役 STK Global Consulting Pte.Ltd.・代表 佐々木 摩弥子氏 業種:司法書士・コンサルタント
「良い人がいない」という採用側の嘆きをしばしば耳にしますが、一体どういう人が「良い人」なのでしょうか?業種によって、大きな違いはないはずです。
即戦力として、過去の実績や経験が重要なことも事実ですが、ある仕事に秀でた人は、他のことをやっても必ず才能を発揮します。また「仕事」それ自体は、余程の愚か者でない限り、時間が経てば必ず出来るようにもなります。結局は、「人間力」が全てです。
では、どうやって人間力のある人を採用するのか。キレイ事のようですが、私は、採用側の人間力を高めて、良い人が「働きたい」と思える良い職場環境を整えれば、良い人が集まってくるものだと思います。
実際、当事務所は「学歴・経歴・職歴・年齢一切不問」という方針を掲げており、結果、専門職種でありながら、未経験者の採用が8割を超えています。けれど、1ヵ月もすると、皆、ベテランをしのぐ極めて優秀な仕事ぶりを発揮しだし、私のムチャブリにも、余裕で応えてくれるようになります。
また、仲良しクラブではないので、職場の「良い雰囲気」ばかりを重視してはいけませんが、やはり円満な人間関係の維持は極めて重要です。職場に限らないことですが、「自分がイヤなことは人にしない」は、私が常に肝に銘じていることです。
私自身が独立前に不満・疑問だったことはしない、マイナス思考・発言はしない、「不公平感」という事務所内最大の敵の発生を防ぐため、スタッフ間の性格・年齢・能力・経験等のバランスが取れ、良くも悪しくも突出する者が現れずに、競い合い、協力できるように配慮する、ということに常に注意を払っています。
相手の立場を考えることは、正に「情けは人のためならず」で、自分自身を良い環境に置くことに直結します。思考と行動の好循環は、確実に伝わります。利己的にならず、Win-Winの関係を目指して相手の立場を尊重して仕事をすれば、自然とそのスタンスはスタッフにも浸透し、スタッフはクライアント第一の良い仕事をするようになり、それがクライアントの満足と更なる良い仕事を呼び、またそれがスタッフの充実感と更なる向上心を育むことになります。
仕事も交友関係も、自分の意思で判断・選択が可能です。もし不満・納得できないことがあっても、解決する方法はあるはずです。「自己責任」なのだから、文句を言うのは筋違い、楽しくて当然(もちろんかなり強引な理論ですが……)、実際、仕事でも友人関係でも、素晴らしい人達に囲まれ、時に厳しくご指導を受けながら、楽しい日々を過ごさせていただいているのも事実です。私の人間性が良いから、ではもちろんありません。ただひたすら、素晴らしいスタッフ・友人・皆様に感謝・多謝・深謝!!!
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.264(2013年09月01日発行)」に掲載されたものです。