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Employer's Voice

2013年8月19日

「日本人をお客様に持つ事業者」の求める人材とは?

M&R Partners Pte. Ltd. マネージングダイレクター 三方麻琴 業種:海外資産運用アドバイザー

現在、私は日本人の方々に対して、シンガポールと日本で資産運用の教育活動を行っています。すでに1,000名を超える方々に対して資産運用の教育を行ってきており、両国でセミナー活動や生徒たちへのアドバイスを行うために、毎月日本にも1週間ほど滞在しています。そこで、『日本人をお客様に持つ事業者』としての視点から、シンガポールにおける人材について私の考えを共有したいと思います。

まず、日々の業務の中で、接する対象が日本人であるため、言葉の壁や文化的な違いというものを感じることはありません。しかし、文化を理解し言葉を交わせるというだけでは、仕事はなかなかうまく進んでいきません。なぜなら、そこには「コミュニケーション・スキル」というものが大きく求められるからです。

当社では、『お金』という、現代の経済社会では非常に重要なものを主なテーマに教育活動を行っています。だからこそ、お客様は、常に不安と期待を持って当社のセミナーなどを受けることになります。
そこでは、お客様がオープンマインドで学ぶ姿勢を作っていただくための細やかな心配りなどのコミュニケーション能力が必須です。
これは、シンガポールに限らず、日本でも同様に人材に求められるスキルです。つまり、『日本人をお客様に持つ事業者』の求める人材は、日本で同様の事業を行う上で求める人材と同じである、ということです。少なくとも、当社はそういった人材を求めています。

もちろん、語学力などの基礎スキル、シンガポール事情の把握能力などは必須になります。取引先という観点で言えば、日本人ばかりではないため、業務を円滑に進めるために、語学以外にもシンガポール人の仕事へのスタンスなどを把握して立ち回る必要がありますが、そういったスキルは、日本においても当然のことだと思います。
他社の事例で、語学ができ、業務スキルのある人材を採用して失敗したケースがありましたが、その採用失敗の人材要因は、『コミュニケーション能力の欠如』でした。
逆に、ある日本人不動産業者の方は、コミュニケーション能力が高く、また細やかな仕事ぶりと心配りから、周囲からとても高い評価を得ています。その方は、日本でも優秀な人材とされるでしょう。

このように考えてみると、業務内容によって求められるスキルは違えど、シンガポールで求められる人材とは、日本でも優秀な人材である、ということではないでしょうか。当社ではそのように考えています。

 

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.240(2013年08月19日発行)」に掲載されたものです。

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