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2014年10月20日

損をしたくない人々 〜KIASU(キアス)〜

全日空商事株式会社 支店長 金井 淳一氏 業種:総合商社

シンガポールではホーカーセンターでもショッピングモールでも良く行列を目にする。この4月にシンガポールへ着任してきた直後は「なんてマナーがいい人々だ」と感心して見ていたが、少し経ってからどうもそれだけではないような気がしてきた……あんまりにも並びすぎているのだ!?
日本人であれば「時間がもったいない」といった考えになりそうなところだが、どうもシンガポール人には(時間にルーズなことを差し引いても)時間よりも優先する何かがあるらしい。

 

そこで、オフィス近くのホーカーセンターで何人かの人に「なぜ隣の空いている店にいかないのか?」「時間がもったいないという考えはないのか?」と怪しまれながらも聞いてみた。すると「自分がここに並ばずに空いている店で買ったら、ここに並んでいる人に負けたことになる。」といった類の答えがかえってきた。どうも、空いた店だと自分はうまいものを食べることができない、つまり並んでうまいものを食べた人に負けたことになる、ということを言っているらしい(驚)。
さらに、その会話をしていたうちの一人(シンガポール人)に「KIASU(キアス)」というシングリッシュを教えてもらった。ご存じの方も多いと思うが「損をしたくない。負けたくない」という深層心理を表している言葉で、シンガポール人の気質を良く表している言葉らしい。

 

なるほど。確かにこの言葉を知って以来、納得させられることも多い。例えば、シンガポールはスーパーマーケットなどで良く「BUY2, GET1 FREE」といったセールスプロモーションを見かけるが、これも「お得な商品を購入しないと損をする」という深層心理に訴えかけた「KIASUプロモーション」と呼べるものかもしれない。

 

恐らく私もそうだが、多くの日本人の場合は「自分(達)にとって何か得か?」というマインドで物事を捉えがちだが、シンガポール人は「自分(達)にとって何か損をしていないか?」というKIASUマインドで物事を捉えているということになる。
この違いをしっかりと理解することがシンガポールでのビジネス成功の一つのKEYかも知れない。
シンガポールに来て半年、まだKIASUマインドに慣れていない自分がいるが「郷に入りては郷に従え」という言葉にもある通り、ビジネス、そしてまたプライベートにおいても、KIASUマインドを意識していきたい。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.267(2014年10月20日発行)」に掲載されたものです。

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