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Vol.316

2017年1月1日

「2017年 新年のご挨拶」

317web_mrshinoda-r1駐シンガポール共和国
日本国特命全権大使
篠田 研次

 

新年明けましておめでとうございます。

 

赤道直下のシンガポールに昨2016年に着任致しましたが、以来日本との距離感という意味において圧倒的な「近さ」を感じております。日本とシンガポールとの結びつきは、今やそれほどまでに、広範な分野、多様な側面において益々強靭なものとなっていると申せましょう。

 

昨年の両国間の要人往来を振り返りますと、8月に安倍総理がS.R.ナザン前大統領のご逝去に際し、弔問のためシンガポール議会を訪問され、ご遺族に哀悼の意を伝えられました。安倍総理は2013年から4年連続で当地を訪問されています。また、シンガポールからも4月にビビアン・バラクリシュナン外務大臣が、9月にリー・シェンロン首相が、そして11月にはトニー・タン大統領が来日されました。この他にも、政府閣僚等の往来は頻繁であり、両国の政府間対話は非常に活発に行われています。

 

また、国民レベルでの交流も一層活発になっています。例えば、2015年のシンガポールから日本への訪日客数は、前年比36%増の31万人を記録し、シンガポール人の実に10人に1人が日本を訪れたことになります。在留邦人数も近年急速に増加し、2012年の約2.8万人から、2015年の3.7万人と、3年で30%強の増加を記録しています。またシンガポールからのJETプログラムの累計参加者は300名を突破しました。

 

さらに、経済分野においても両国の関係は深化の一途を辿っており、シンガポールから日本への直接投資は19.4億ドル(2015年)でアジアの国としては第1位となっています。近年の特徴は、シンガポールが「地域統括機能」を有する日本企業の一大拠点となっていることであると申せましょう。実際、当地に進出する日本企業は、ASEAN諸国のみならず所謂「インド・太平洋地域」を俯瞰し得る“ベースキャンプ”としてシンガポールを活用し、グローバルな規模で新たなビジネス展開の可能性を探求しておられるように見受けられます。今後は更に、日本とシンガポール両国の企業が強力なタッグを組むことで、第3国マーケットへとビジネスを展開していく可能性がより一層広がっていくものと期待しております。

 

昨年、日本とシンガポールは外交関係樹立50周年を迎えました。「SJ50」と銘打ち、文化芸術・経済・スポーツ・観光・科学技術など年間を通じ様々な分野で記念イベントが行われました。SJ50のシンガポールでの認定イベントは、200件を超えました。10月末にはオーチャードにおいて、2日間で11万人が参加した「SJ50 Matsuri」が開催され、SJ50周年記念事業のハイライトに相応しい、両国民の記憶に長く残る事業となりました。オーチャード・ロードを閉鎖しての阿波踊りやパレードは、シンガポールと日本の人々が大いに一体感を感じたひと時でした。日本大使館の発信拠点であるジャパン・クリエイティブ・センター(JCC)は、これらSJ50関連イベントの多くを主催し、また関連団体とのネットワークやアウトリーチを積極的に推し進める形で参画・支援致しました。大統領官邸における裏千家の千玄室大宗匠による茶会、一万人以上の人々がシンガポールの踊りや日本の盆踊りを楽しんだ日本人会主催の夏祭り、エスプラネードでのSUPER JAPANなど、数え上げればそれだけで紙面が尽きてしまうほど誠に数多くの記念行事がそれぞれに強く記憶に残ります。

 

このように日星関係は50年の年月を経て誠に良好かつ成熟した関係となってきています。今私達は、両国関係を更に強化・進化させるにあたり、次の50年を見据えたビジョンを考える時期に来ているのではないかと考えます。日本とシンガポールは既にそれぞれ、二国間交流の域を超えて、共に提携・協力して地域や広く国際社会のために貢献し得る力をつけてきていると申せましょう。「世界に貢献する日星パートナーシップ」という視点を持って行動することができるのではないかと思います。当館としても引き続き両国の交流の促進を図ると共に、在留邦人の皆様や旅行者の皆様がそれぞれの分野で安心して安全にご活動・ご活躍頂けますよう、最大限の努力を払って参りたいと存じます。皆様のご指導を何卒宜しくお願い申し上げます。

 

最後になりますが、皆様の益々のご健康とご発展を祈念し、新年のご挨拶とさせて頂きます。

 

 

317web_mrmitsuishi-r1シンガポール日本人会
会長 三石 基

 

新年明けましておめでとうございます。

AsiaX 読者の皆様にシンガポール日本人会を代表して、新年のご挨拶を申し上げます。

 

昨年はシンガポールと日本の外交関係樹立50周年(SJ50)の年でありSJ50をお祝いする多くのイベントが開催されました。10万人以上もの人々1029日、30日にオーチャードロードのニーアンシティに集まり共にお祝いしたSJ50 まつりとフレンドシップパレードは、50周年記念事業の集大成として未だに皆様のご記憶に新しいこととじます

 

日本人会は会の主要な使命の一つとしてシンガポール日本人学校の運営に、設立以来深く関与してきましたが、昨年はシンガポール日本人学校創立50周年を迎え、まさにシンガポール歴史共にしてまいりました。開校から50年、先人の方々が子女教育に力を注いできた結果、卒業生は13千人を越えるまでになり彼らが日本を始め、世界各地で活躍しておりますことは、シンガポール在住邦人の誇りであります。

 

日本人会は1915年に設立され大変歴史のある組織として、長年にわたり、大運動会、夏まつり、チンゲイパレードといった諸活動を通じてシンガポール在住の皆様の懇親と友情を育んでまいりました。また、ボランティアやチャリティを通じて、シンガポール社会において草の根レベル交流深めてまいりました。今年もそれらの活動を通じてより多くの皆様に日本人会を知っていただき、活動にご参加いただければ幸いです。

 

シンガポールに在留する37千人の邦人は、安全・安心・暮らやすいという環境に恵まれ、平和に暮らしています。ただ、今の私達のシンガポールでの暮らし、外的な環境だけでなく日本シンガポール双方の先達の地道な努力の積み重ねにより築き上げられた友好関係の上に成り立っていることは言うまでもありません昨年は英国の国民投票でのEU離脱派勝利、トランプ氏の米国大統領選勝利等、世界が大きく変化した1年でした。シンガポールも一昨年独立50周年を迎え、これまでの成長を持続的なものとすべく、最先端の技術を駆使したスマート・ネーション構想に基づく新たな国家像を着々と実施に移しており、まさに変化の先頭に立っています。一方で、こうした変化の時代においても、両国の友好関係は、決して変わることなく継承してゆかねばなりません。新年を迎えるに当たり、日本人会として次の50年、100年を見据えて、先頭に立って貢献をして参る所存ですので、本年も皆様の変わらぬご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

最後に、2017年がAsiaX読者の皆様にとりまして、実り多き年となりますことを祈念致しまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

 

317web_mrokada-r1シンガポール日本商工会議所
会頭 岡田 卓也

 

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 

昨年は日本とシンガポールが外交関係樹立50周年を迎えた記念すべき年であり、年間を通じて様々な「SJ50」関連イベントが開催されました。特に10月末に開催された「SJ50まつり」は、在シンガポールの日本人コミュニティが一丸となって実現に向けて取り組み、また多くの地元シンガポール人の皆様のご理解とご協力を頂くことで、大成功を収めることができました。2日間で来場者数11万人を超えたことは、日本人のみならず、シンガポール人の皆様の高い関心を集めた結果であり、両国友好関係の象徴として内外にその絆を示すことができたものと感じています。イベント開催に協力する機会を得たJCCIとしても大変嬉しく存じます。

 

また、民間交流のみならず、9月にはリー・シェンロン首相、12月にはトニー・タン大統領の訪日が実現し、日本の安倍首相も、日本とも深い関係にあったナザン元大統領への弔問のため8月に来星されました。特に安倍首相夫妻の来星は、ナザン元大統領を悼むシンガポールの皆様の心に残る出来事であったと伺っております。これら両国トップの往来も、両国がますます親密な関係にあることを示しているものと存じます。

 

JCCIの会員企業の数は2015年に850を超え、現在でも少しずつ増加する傾向にあるなど、シンガポールへの進出の勢いは止まりません。地域統括拠点や研究開発拠点の設置に加え、日系企業向け人事サービスやコンサルティングといった幅広いサービスの進出が続いています。また、在留邦人数がますます増加する中、飲食や美容、教育など日本人向けのサービス業もますます増加していくでしょう。

 

日本の文化が浸透し、両国の歴史や在留日系企業の活躍などにスポットが当たった昨年は、両国関係が最高潮を迎えたと言えましょう。本年も、移り変わりの激しいアジア域内で、情勢に応じて常に変化し続けていくシンガポールにおいて、JCCIとしましても引き続き最新の情報を提供するように務め、また会員企業の多様なニーズに合わせた事業を実施するよう全力で取り組んで参ります。

 

最後に、2017年がアジアエックス読者の皆様にとって、実り多き年となりますこと、そして次の50年「SJ100」に向かう最高のスタートになることを祈念し、新年のご挨拶と致します。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.316(2017年1月1日発行)」に掲載されたものです。

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