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法律相談

2024年4月3日

Q.シンガポールにおけるクレジットカードについて

Q. シンガポールでクレジットカードの申請を行いたいと考えています。申請するための要件を教えてください。

 A. シンガポールにおいて、クレジットカードが新規に発行される際には主に年齢、身元確認が行われます。
 
 55歳未満のシンガポール人及びPR保持者の場合、少なくとも以下の何れかの要件を満たすことが必要となります。
 ①年収が3万Sドル以上である。
 ②100万Sドル又はそれに相当する外貨額を超える金融資産(関連する負債を除く)を有する。
 ③200万Sドル又はそれに相当する外貨額を超える純資産を有する。
 
 55歳以上のシンガポール人及びPR保持者の場合、少なくとも以下の要件の何れかを満たすことが必要となります。
 ①年収が1.5万Sドル以上である。
 ②75万Sドルを超える金融資産(関連する負債を除く)を有する。
 ③シンガポール人以外の保証人を有する。
 ④シンガポール人保証人の年収が3万Sドル以上である。
 ⑤完全無担保又は一部有担保のクレジットカード又はチャージカードを保有する。
 
 クレジットカード発行会社は、上記の条件を満たさない場合であっても、個人のカード利用目的が旅行又は雇用主の指示による海外赴任の場合にはカードを発行することができます。
 

Q. 外国人はシンガポールにおいてクレジットカードを申請できないのでしょうか。

 A. クレジットカードの上限額が500Sドルの場合、上記の条件は適用されません。
 
 カードを発行する金融機関は、PRを保持しない外国人に対して更に制限を設けることができ、書面にて申請書を提出する必要があります。7分で迅速に申請が承認される銀行もあれば、シンガポール信用調査機関 (Credit Bureau Singapore) では外国人に関する信用情報が十分ではないために、申請に長く時間を要する場合もあります。
 
 信用調査書をオンラインで又は、身分証明書を持参し郵便局の支店若しくは信用調査機関の支店において料金を支払って提出することが可能です。長期滞在ビザ(Long-Term Pass)、学生ビザ(Students’ Pass)、配偶者ビザ(Dependent Pass)を保有している者は、PDF形式のデジタルIDに加え、パスポート原本の持参が必要となります。
 

Q. 追加でカードを申請することはできますか。

 A. カード保有者が同意をすれば追加カード保有者が18歳以上の場合、カード発行会社に申請することができます。追加カード保有者が18歳未満の場合、海外旅行の目的のみに発行が許可され、使用期間が限定されます。海外旅行の目的を確認するための合理的な手段を講じることなく、18歳未満の個人に追加カードを発行したカード発行会社は、有罪となり2.5万Sドル以下の罰金に科されることになります。
 

Q. クレジットカード機能を有するアプリについて教えてください。

 A. クレジットカード発行会社は特定のライセンスを取得する必要があるため、クレジットカード機能を有するアプリについても同様にライセンスを得ていることになります。このようなアプリは一般的に、新規使用の際にはシンパス(SingPass)とリンクしており、シンガポール内国歳入庁(IRAS)の税務ポータルで個人の経済状況を確認することができるようになっています。
 
 分割払いやキャッシュバック機能を提供するアプリについては、クレジットカードの機能ではないため、上記のライセンスは適用されません。しかしながら、アプリを通じてサービスを提供するプロバイダーは、クレジットカード発行会社と同様の法的措置を講じることが可能となっています。
 

Q. 返済ができない場合にはどのようにしたらいいのでしょうか。

 A. シンガポールクレジットカウンセリング(Credit Counselling Singapore)は、シンガポール銀行協会(Association of Banks in Singapore;ABS)と連携をして、適切な返済に関するアドバイスを行っています。
 
 債権回収法2022(Debt Collection Act 2022)の施行により、債権の回収手段が規制されました。それでも債権者は、規定された法的手続きに従い、債務者に対して訴訟や破産申請等の法的措置を講じることができます。
 
 訴訟が開始する前に、当事者が別段の合意をしない限り、友好的な解決に向けて少なくとも14日は債務者に猶予を与えなくてはいけませんでした。
 
 破産申請の場合、無担保債務が1.5万Sドル以上であり、債務者に法的な督促(Statutory Demand)が出されます。その後21日以内に債権者が、満足のいく和解案を受け取らなかった場合には、債権者は破産申請を開始することができます。一方、債務者自らが破産申請を開始することもできます。
 
 

Kelvin Chia Partnership
 

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