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2023年5月1日

インドネシア:鉄道網の整備が進む、中部スラウェシ島では初の路線が開通

大きく変化するアジア。人口増加の著しいこの地域が近い将来、巨大市場となり世界経済をけん引する日が来る――。その地殻変動を探るべく、旬のニュースとそれを裏付けるデータで、経済成長著しいASEAN諸国の「今」を読み解いていきます。

 インドネシアの鉄道といえば、日本が中国に競り負けた「バンドン高速鉄道(首都ジャカルタと西ジャワ州バンドンを結ぶ全長142キロメートルの路線)」を想起してしまうが、これ以外にも全国各地で大規模な建設プロジェクトが進められている。最新のトピックとしては、中部のスラウェシ島で今年3月末、初の鉄道が開通したことが挙げられよう。総面積18万平方キロメートルの同島は、島嶼の大きさランキングで世界第9位(インドネシアで4位)の規模だが、これまで陸上交通の手段が自動車に限られていた。待ちに待った鉄道路線の誕生により、移動・輸送の円滑化や経済の活性化が期待される状態だ。以下、その様子を「亜州ビジネスASEAN」ニュースで振り返っていただくとともに、インドネシア鉄道業界の全体像を「亜州ビジネスASEAN」産業レポートで把握していただきたい。
 

インドネシア:スラウェシ島初の鉄道、大統領が開通式

 ジョコ大統領は29日、スラウェシ島南西部の南スラウェシ州で同島初の鉄道「マカッサル・パレパレ鉄道」の中間部分、マロス〜バル間(約80キロメートル)の開通式をマロス車両基地で行った。アンタラニュースなどが伝えた。
 
 同鉄道は州南部の州都マカッサルと北部のパレパレを結ぶ全長145キロメートル。2014年に着工し、現時点で120キロメートルの区間の建設が完了している。昨年10月には66キロメートルの区間で乗客を乗せた運転を開始した。
 
 大統領は開通式で、ジャカルタやマカッサル、東ジャワ州スラバヤといった大都市で自家用車が増えて交通渋滞が発生していると指摘し、鉄道建設の重要性を訴えた。また、同鉄道をスラウェシ島北東部の北スラウェシ州の州都マナドまで延伸する計画に期待を示した。[「亜州ビジネスASEAN」 3月30日付ニュース]
 


 
 ジョコ大統領が強調したように、旅客・貨物輸送の多くを自動車に依存するインドネシアでは鉄道網の整備が喫緊の課題。これによる交通渋滞の解消や大気汚染の抑制がそのまま、経済成長のバネになるからだ。バンドン高速鉄道に目が行きがちだが、スラウェシ島をはじめとする地方の在来線や都市高速鉄道(MRT)、軽量高架鉄道(LRT)など、国内の鉄道インフラ整備プロジェクトは盛りだくさんと言ってよい。
 
 当然ながら、国内の鉄道輸送は旅客数、貨物量ともに伸び続けている。コロナ禍の20年、21年こそ旅客数が落ち込んだものの、長期のトレンドとしては旅客数、貨物量ともにほぼ右肩上がりだ。
 

 

 
 最後に、業界の概要と各種プロジェクトを確認していただくため、「亜州ビジネスASEAN」産業レポートの中から「インドネシア:鉄道業界」をピックアップする。全体像と個別案件の把握に役立てていただければ幸いだ。
 
 インドネシア:鉄道業界レポート
 https://ashu-aseanstatistics.com/report/507956-8142651950
 

亜州リサーチASEAN編集部
亜州ビジネスASEAN

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