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会計・税務相談

2021年9月9日

Q.ディペンデントパス保有者の就労

Q. ディペンデントパス保有者が就労する際に人材省(MOM)から取得するLetter of Consentについて2021年5月1日から申請が受け付けられなくなりましたが、今後ディペンデントパス保有者はどのようにすれば働くことができるのでしょうか。

 A. ディペンデントパス保有者は、これまでは学歴・最低賃金などの要件や雇用可能な人数の制限もなく、雇用主がMOMにLetter of Consentの発行を申請して取得できれば就労することができましたが、現在有効なLetter of Consentの有効期限が満了した後は、エンプロイメントパス、Sパス、もしくはワークパーミットの何れかの就労ビザを取得しなければ働くことができません。

 

Q. エンプロイメントパス、Sパス、ワークパーミットは、どのような要件を満たせば発行されますか。

 A. エンプロイメントパスは学士以上の学歴で月額固定給S$4,500以上、Sパスは学士または短期大学士・専門士以上の学歴で月額固定給S$2,500以上が要件とされています。尚、給与要件は年齢や経験に応じて引き上げられるため、実際に申請する際の給与要件はもっと高い場合が多く、パートタイムでの就労を希望するような人には厳しい要件となっています。更に、Sパスには業種毎に外国人比率の上限が定められ、サービス業を例にとると、シンガポール国籍または永住権のローカル従業員9名につきSパス1名を雇用することができます。従って、少人数の事業所や外国人比率が高い事業所では雇用することができません。ワークパーミットには最低賃金の要件はありませんが、申請時に申告した月額固定給を毎月支給することが義務づけられています。また、ワークパーミットもSパスと同様に業種毎に外国人比率の上限が定められており、サービス業ではローカル従業員が1名以上3名以下の場合、ワークパーミット1名を雇用することができます。
 

Q. エンプロイメントパス、Sパス、ワークパーミットを取得した場合、ディペンデントパスはキャンセルされますか。

 A. エンプロイメントパスまたはSパスの許可を得た場合、ディペンデントパスをキャンセルしてエンプロイメントパスまたはSパスに切り替えることになります。ワークパーミットを取得する場合はディペンデントパスをキャンセルせず、ワークパーミットの有効期限はディペンデントパスの有効期限に紐づけられます。
 

Q. ディペンデントパス保有者によるワークパーミットの取得に関して一部の要件が緩和されたと聞きましたが、どのように緩和されたのでしょうか。

 A. ディペンデントパス保有者がワークパーミットを取得した場合、ワークパーミットに課せられる以下の要件について免除されます。
 

1.国籍要件の免除

 ワークパーミットは、業種別に雇用できる外国人の国籍が定められており、日本は雇用可能な国籍に指定されていません。ですが、ディペンデントパス保有者にはこの要件は適用されず、日本人も申請することができます。
 

2.保証金差し入れの免除

 マレーシア人以外の外国人をワークパーミットで雇用する場合、雇用主はワークパーミット就労者一人につきS$5,000の保証金を政府に差し入れなければなりません。この保証金は、雇用主またはワークパーミット就労者が法令に違反した場合、政府に没収されます。ディペンデントパス保有者については、この要件が免除されます。
 

3.6ヵ月毎の定期検診の免除

 女性のワークパーミット就労者は6ヵ月毎に妊娠および感染症の有無につい定期検診を受けることが義務づけられていますが、これについても免除されます。
 

4.シンガポールでの妊娠・出産禁止の免除

 女性のワークパーミット就労者は、MOMの許可を得てシンガポール国籍または永住権者と結婚した場合を除き、ワークパーミットの有効期間中にシンガポールで妊娠または出産することを禁じられています。ディペンデントパス保有者には、この要件は適用されません。
 

Q. ディペンデントパス保有者をワークパーミットで雇用した場合、これまでのようにLetter of Consentで雇用した場合と比べて、雇用主にどのような追加的な義務が生じますか。

 A. まず、雇用開始前に健康診断を受けさせなければなりません。また、年間保障額S$15,000以上の医療保険に加入し、雇用主が従業員の医療費を負担する必要があります。更に、毎月外国人労働者税を納付しなければなりません。外国人労働者税の金額は、労働者の技能および外国人依存比率により異なり、サービス業の場合は一人につき月額S$300~S$800となっています。
 

著:Tricor Singapore Pte Ltd 斯波澄子

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