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海外進出「社会保険・労務管理」

2021年7月2日

Q.育児休業を取得するタイミングによって社会保険料が免除されない?

~月末に育児休業を取得していたかどうかで取り扱いが異なる~

Q. 私は、シンガポールに海外赴任して3年近く経ちます。近々、妻が出産するのですが、出産直後はいろいろと妻も大変だと思いますので、1週間ほど育児休業を取得したいと考えております。そこで、質問ですが、育児休業を取得すれば社会保険が免除されるそうですが、育児休業の取得の仕方によっては、社会保険料が免除されない場合もあると聞きました。社会保険料は、毎月10万円近く控除されているので、できれば、社会保険料が免除されるように取得したいと考えております。どうすれば社会保険料が免除になるか教えてください。(Aさん)
 


 
A. 育児休業を取得した際に、社会保険料が免除されるかどうかは、月末に育児休業していたかどうかで判断されます。そもそも、社会保険料は、月単位の考え方で、日割りでは計算されません。そのため、月末に育児休業をしていたかどうかだけで判断され、月末に育児休業を取得していたら、その月の保険料が免除される仕組みになっています。そのため、例えば、育児休業を7月24日から7月31日まで月末を含めて1週間取得した場合は、7月の月末は育児休業を取得していたので、7月分の社会保険料が免除されることになります。
 
一方、7月10日から7月17日まで1週間を月中に取得した場合は、7月の月末では育児休業からすでに復帰しているため、育児休業を取得したとしても社会保険料は免除されないのです。したがって、育児休業期間にかかわらず、月末を含めて育児休業を取得したかどうかで社会保険料免除の取扱が異なってくるということです。
 
ちなみに、育児休業を取得した月に賞与が支払われた場合の取り扱いですが、通常の給与から社会保険料が免除されれば賞与分の保険料も免除されます。つまり、賞与月に月末含めて育児休業を取得すれば通常の社会保険料と賞与保険料の両方が免除されることになるわけです。ただし、育児休業に関する社会保険料免除の取扱は、2022年10月に法改正されます。上記は現行制度の取り扱いになるので、ご注意ください。
 


社労士大槻オフィスシンガポール
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Singapore@otuki.org (担当:武田 正行)

 

このコラムの回答者

武澤 健太郎
社会保険労務士法人
大槻経営労務管理事務所

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