シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP退職後も健康保険に加入したい場合は?

海外進出「社会保険・労務管理」

2021年8月4日

Q.退職後も健康保険に加入したい場合は?

~2022年1月から任意継続被保険者の取り扱いが変わるので注意~

Q. シンガポールの現地法人に6年近く出向しています。このたび日本の会社を退職し、正式に現地法人に入社することになったのですが、現在、日本法人で加入している健康保険を残すことはできないのでしょうか。日本に帰国した際に病院に行くことがあるので、できれば今の健康保険を使えるようにしたいです。ちなみに、日本に住民票は残していません。(Bさん)
 


 
A. 日本の会社を退職すれば、現在加入している社会保険(健康保険・厚生年金保険)は資格を喪失することになりますが、健康保険については、一定の要件さえ満たせば任意継続被保険者として、引き続き健康保険に2年間加入することができます。任意継続被保険者とは、在職時の2倍の保険料(上限あり)を支払うことにより健康保険に継続して加入できる制度です。なお、2022年1月からは、加入中の健康保険組合の判断で保険料の上限を無くすことができようになり、保険料がかなり高くなります。また、加入期間も2年から1年に短縮されるので、2022年1月以降に退職される場合はご注意ください。
 
 具体的な手続きは、加入していた健保組合などに、退職後必要な書類を届け出れば良いのですが、残念ながらほとんどの健保組合は届出後に発行される保険証や保険料の納付書を海外の住所に郵送してくれません。そこで、ご家族の方などに協力してもらい、日本国内で書類のやり取りを代わりにしてもらう必要があります。ちなみに、保険料については、原則的に毎月の納付書に従って納付することになりますが、日本に銀行口座があれば口座振替も可能です。
 
 なお、任意継続被保険者の手続きで一番注意が必要なのは、申請期限が退職日の翌日から20日間以内ということです。この申請期限を1日でも過ぎてしまうと、任意継続被保険者になれません。したがって申請期限については特に注意が必要なため、退職前から早めに準備しておいた方がよいでしょう。
 


社労士大槻オフィスシンガポール
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このコラムの回答者

武澤 健太郎
社会保険労務士法人
大槻経営労務管理事務所

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