シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP社会保険と税金の扶養。考え方が異なる?

海外進出「社会保険・労務管理」

2020年12月1日

Q.社会保険と税金の扶養。考え方が異なる?

社会保険は将来に向かって130万円未満であるかどうかで考える

 

Q. 私はシンガポールに赴任して3年経つ者です。妻が10月末で会社を退職したのですが、今年1月からの年間収入が300万円ほどあります。
 社会保険の扶養は年間130万円が基準だったと思いますが、今年は扶養に入れず来年の1月から加入ということでよろしいでしょうか。(Iさん)

 
A. 健康保険の扶養には、原則退職された翌日から加入できます。健康保険の扶養は、原則として年収が130万円未満であって、被保険者の収入の1/2未満であることが収入の要件となっています。ただ、この年間収入ですが、1月から12月で計算するのではありません。社会保険はあくまでも退職日以降の収入が、年間130万円未満であるかどうかで判断します。つまり、税金のように1月~12月の年間で判断されるわけではなく、あくまでも退職等で収入がなくなった時点で、将来に向かって年収130万円(月収約10万8千円)未満かで判断するわけです。したがって、Iさんのケースですと、10月に退職した時点で年間300万円ほどの収入があるとのことですが、今後収入を得る見込みがなければ、すでに年間収入が300万円だったとしても退職後の11月から扶養に加入できるわけです。
 
 ただし、退職後に雇用保険から失業給付を受給する場合や傷病手当金、出産手当金などの給付をもらう場合はそれも収入と判断されるため、日額で約3,561円を超えるようだと給付をもらい終わるまでは扶養に加入できないため、注意が必要です。また、健康保険の扶養に合わせて、国民年金第3号被保険者として加入することもできるので、配偶者の勤務先を通じて届出が必要です。なお、健康保険の扶養は、原則届出した日から扶養の加入となり、遡って加入できるわけではないので、早急に加入手続きを行うようにしてください。
 


社労士大槻オフィスシンガポール
80 Robinson Road, #10-01A Singapore 068898
http://www.otuki.org
ご相談はE-mailにてご連絡ください。
Singapore@otuki.org (担当:武田 正行)

 

このコラムの回答者

武澤 健太郎
社会保険労務士法人
大槻経営労務管理事務所

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP社会保険と税金の扶養。考え方が異なる?