2008年7月7日
座談会「求め求められる企業と人材」(1)
はじめに
企業の経営戦略のグローバル化が定着する中、企業の現地化が進み、外資系、日系企業を問わず、ローカルの人材市場で優秀な人材を確保することが経営の大きな課題となっている。現在のシンガポールにおいても例外でなく、雇用機会の増加による人材の流動化も一層加速し、企業側にとって優秀な人材の採用はもとより、既存の社員の定着も危ぶまれている現状がある。経営の要となる「人」をめぐる問題意識の高まりを受け、企業の採用担当者、人材紹介会社、企業教育研修プロバイダーが、人材市場の現状を共有しながら、今後更に拡大する需要を鑑み、その市場における日系企業の競争力を強化するために何ができるのか、ストレートに話し合う機会が実現した。
大橋宏樹
オリンパスシンガポール
本社部門責任者
2004年12月に来星。1988年にオリンパス入社。内視鏡部門での業務を経て、人事部に異動。以降人事の経験が長い。シンガポールでは本社部門を担当しており、経理、人事・総務、IT、物流を守備範囲とする。
永井郁世
JASTテクニクス
マネージング・ダイレクター
京都府出身。 関西外大卒業後、日本システム技術(株)に入社し、5年目にシンガポールへ出向。以来約20年間、日系企業にワンストップITサービスを提供、同社責任者として現在に至る。
渡部 尚
JACシンガポール
アソシエート・ダイレクター
新潟県出身。日本大学法学部卒業後、東京大学職員、文部省大臣官房人事課、政策課勤務を経て、1990年JACシンガポール入社。国際人材紹介会社を目指し、2005年より会社の規模を5年で5倍にする「5 in 5」計画を推進中。
川村千秋
プライムサーチインターナショナル
マネージング・ダイレクター
静岡県出身。明治大学政経学部卒業後、外資系証券会社に勤務。1996年来星。医療サービス会社を経て、ヘッドハンティング会社のリージョナルディレクターとしてシンガポール本社、東京オフィスに勤務後、2007年同社設立。
福田直子
J Powerコンサルタンシー
マネージング・ダイレクター
1993年来星。約10年間の人材紹介会社勤務を経て、2003年独立。 日本人スタッフの人材紹介 を専門とし、現在に至る 。2006年に産業カウンセラー資格を取得、個人を対象とした無料キャリアカウンセリングをライフワークとする。
サンディ齊藤
サイコム・シンガポール
ジェネラル・マネージャー
駿台予備学校勤務後、駿台リンデンスクール・シンガポールへ赴任。富士通アジアにて人事総務担当後、ゼンテック・テクノロジー社の管理部ジェネラル・マネジャーを経て、2007年7月より現職。マネジメント人材育成のための各種プログラムを提供。
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.125(2008年07月07日発行)」に掲載されたものです。
文=桑島千春