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座談会

2019年11月25日

MBAは共通言語!グロービス経営大学院修了生によるMBA四方山話

人生最大の勉強量と適度な息抜き

勉強時間の確保などに工夫をしましたか。また、ご家族にはどのように接していたのでしょうか。

澁谷さん:授業はケース(企業事例)に沿って議論する形式だったので、ケースを読むだけで1時間。それも一度読んだだけでは理解できないので、何度か読まないといけません。自分がやったものをみんなで持ち寄って「勉強会」も開いていましたね。授業以外でも学ぶ機会が多いのが、グロービスの魅力のひとつです。

 

畠山さん:予習は、だいたい6~10時間ぐらい。働きながらなので、なかなかまとまった時間とれない。だから30分の細切れの時間を使って勉強していましたね。

 

佐々木さん:自分は子供が小さかったので、土日に子供が寝てから勉強していました。家族の協力あっての通学でしたので、妻には本当に感謝です。タイムマネジメントは非常に大変でしたが。

 

金子さん:私は実家に帰ったので、家事は親にやってもらいました(笑)。勉強にかける時間は、グループワークがある科目を受講するかどうかで大きく変わってきます。私はベンチャー企業経営者になりきってグループで事業計画書を作成しプレゼンテーションする科目を受講したのですが、グループメンバーでほぼ毎日ディスカッションしていました。毎日のように集まっていると、勉強時間に余裕がなくなってしまいますよね。

 

澁谷さん:最後にやった「研究プロジェクト(大学院での学びの総まとめとして、グループで成果物を提出する科目)」を受講していたときは、仕事してるか勉強してるか寝てるかというくらいに追い詰められましたね。みんなで徹夜したりとか…。人生でこんなに勉強したことがないくらい、最後の数ヵ月はがんばりました。

 

畠山さん:僕は在学中に結婚したんですが、通いながら結婚式の準備をしていたので、奥さんに「なんでそんなに勉強するの。どうして勉強しているのに、懇親会で遅くなるの」と突っ込まれて、なかなか理解してもらえませんでした(笑)。ちなみに、僕が卒業した翌年に奥さんが入学して、今度は逆に僕が我慢することになるんですが(笑)。

 

佐々木さん:懇親会といっても、授業のテンションのまま飲みに行きますからね。授業で足りなかった議論をお酒飲みながらまた始める。くだらない話半分・熱い議論半分でした。側から見ているとただの飲み会ですが(笑)、僕らにとってはときに先生をまじえての授業の延長戦でした。

 

学業の息抜きはありましたか。

金子さん:修士課程は普通は2年間ですが、私は単科も入れて4年間通っていました。時間も学費も追加でかかっても、自分のペースでじっくり勉強できたほうがいいと思ったので。その分、年末年始やGWは、気分転換に旅行に行ったりしていました。

 

畠山さん:海外ドラマを見るのがすごく好きだったんですけど、入学してからはまったく見られなくなって…。ただテニススクールに週一で通うことは続けていて、体を動かすことは気分転換になったかなと思います。

 

金子さん:私も皇居ランやっていました!グロービスの友達同士で、月一回朝走ってました(笑)

 

佐々木さん:私はクラシック音楽が大好きなので、気分転換は大音量で音楽を聴くことでした。ドカンと。No Music, No Lifeです。

 

澁谷さん:私はグロービスの仲間とみんなで温泉に行ったりしていたかな。
 

 

夢を後押ししてくれる武器がMBA

MBAを取得してよかったと思うことはありますか。

佐々木さん:海外では自分たち(日本)の常識が通用しません。相手の文化習慣や価値観を認めて、ズレを確認するところからスタートしないと会話にもならないです。MBAを学んでいなかったら、自分の価値観をただ相手に押し付けていたと思います。言葉が違っても学んだことはビジネスの共通言語になります。特にグロービスでは現場で本当に活きる力が重視されるので、「理屈だけじゃだめなんだよ!」ととことん学校で鍛えられました(笑)。実務の世界は教科書通りに行きませんので、この経験が本当に役立っています。

 

澁谷さん:私は卒業してすぐに、大抜擢されましたが、その時にMBAという武器があったことが支えでしたね。その後も海外を含めた3社でジョイントベンチャーを作るみたいな話があって、その時に株式の持ち合いをどうするのかとか、負債と資本をどうするとか。MBAを学んでいなかったら絶対にわからなかった(笑)。誰しもいつか、これまでの経験では勝負できない場面に遭遇するから、その時に武器を持っているとチャレンジする勇気が出てきますよ。

 

金子さん:同感ですね。

 

畠山さん:私も満足しています。まだ管理職ではないので実際にMBAのスキルを駆使する機会はあまりないんですが、いろんな部門の言葉を理解できるので、より効果的に動けるようになったという実感があります。

 

シンガポールならではの難しさはありますか?

佐々木さん:この国は、とにかくマルチカルチャーだし多様性に富んでいるし、そこは圧倒的に日本とは違うので…自分の価値観だけでは生きていけないです。

 

一同:そうですね。

 

澁谷さん:日本人みたいに「このミッションをやるんだ!」という気合と根性で人が動かないんですよ。だからロジカルに説明するとか、やりやすいように仕組みをつくらないといけない。そういう違いはすごく感じています。「こんなことがなんで起こるの!」ということが毎日起こります。こちらにきて毎日のように怒っていたら多少のことでは動じなくなりましたが。

 

畠山さん:違いを楽しむくらいがいいですよね。ピリピリ、カリカリしないで。

 

佐々木さん:はい、そしてその感覚を本社との会話にも持ち込んで、地雷を踏む(笑)。

 

MBAを取得したいと考えている人にアドバイスはありますか。

澁谷さん:お金や時間はかかりますが、得るものの方がはるかに大きいです。人によってはご家族がいたり、犠牲にすることもあるとは思うんですが、もし時間や経済的に許されるのであれば、私は絶対にお勧めします。大変だと思うこともあるんですけど、楽しいことやいいことの方が何十倍もあると思います。

 

佐々木さん:まったく同感です。MBAというタイトルが重要なのではなく、そこで学ぶ内容や出会う仲間、悩み考える時間が何よりも大事だと気づきます。迷っている方がいれば、是非背中を押してあげたいです。

 

みなさんの今挑戦してみたいことや夢を教えてください。

金子さん:今はシンガポールやインドの子会社の設立から財務経理、人の採用、商品設計など、一通り経験できています。マネージャーでもなんでもないのに会社の全部を見ることができるのは、幅広い仕事を任せられる海外だからこそですね。将来的にはこの経験を、日本の将来のために海外とつながる仕事で活かせたらなと思っています。

 

澁谷さん:抽象的になってしまうのですが、従業員が幸せで、ここで働いていてよかったなと思えるような会社にしたいなと綺麗事じゃなくて本気で強く思っています。そのためには会社の利益を出し続けないといけないし、対価を支払わないといけない。以前は感じていなかった責任感みたいなものが芽生えています。これから日本のダイバーシティも変わっていくと思うので、多様な文化で働くということがどういうことなのか、会社のなかで今後体現していければと思っています。

 

畠山さん:社内の仕組みを効率化して、社内で働く人たちが自分らしい力を発揮することで、会社全体のパフォーマンスもあげたい、と日本にいるころから思っていました。今はもうちょっとインパクトの幅を広げたいと考えていて、グローバルでの効率化とか仕組みづくりをやっていきたいなと。もう一つ、海外にいる日本人のプレゼンスを上げたいとも思っています。

 

佐々木さん:『天空の城ラピュタ』のクライマックスで、ヒロインが放つ「人は土から離れて生きて行けないのよ!」という大好きなセリフがあります。自分が不動産の仕事を続けているのはコレだなと。海外に住むと日本のダメなところが沢山見える一方で、良い部分も沢山見えます。特にTOKYOのスゴさ。そりゃ世界から人が集まるわけだと。首都の元気がなくなれば地方もそうなります。不動産の仕事を通して、今いるアジアの国々に貢献するのはもちろん、東京をより魅力ある都市にできるよう寄与したいですね。

(編集/小川哲弥)

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