Q.老後の年金。早くもらうとどれだけ減るの！？～１ヵ月の繰り上げで、0.5％減額される～

　年金を１ヵ月繰り上げるごとに０．５％減額されます。国民年金から支給される老齢基礎年金は、原則６５歳から受給できますが、受給開始のタイミングは、早めることも遅らせることもできます。ちなみに、年金を本来のタイミングより早くもらうことを『繰り上げ』、遅くもらうことを『繰り下げ』といいます。気になる『繰り上げ』の場合の減額率ですが、１ヵ月繰り上げるごとに０.５％減額されます。そのため、Sさんが５年繰り上げて６０歳からもらう場合は、１２ヵ月×５年×０.５％＝３０％減額されることになるのです。なお、一度減額された年金額は、６５歳になっても元に戻りません。つまり、３０％減額された年金額は一生涯変わることがないので注意してください。また、『繰り上げ』後は、障害基礎年金を受けることができない等のデメリットもあるので、繰り上げ前にデメリットも含めて十分確認、検討する必要があります。

ちなみに、机上の『損得』の話になりますが、繰り上げて６０歳からもらう場合は、「76歳8ヵ月」よりも長生きすると、繰り上げせずに65歳から受け取った年金額よりもトータルの受給額で損する計算になります。いずれにしても、一度年金事務所にご自身の年金記録を確認・相談の上、判断されることをおすすめします。