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2017年12月19日

第8回 リスクを下げる!米国株トレードにおけるポートフォリオの組み方

会社の給料もなかなか上がらないし、老後にちゃんと年金がもらえるのか心配……お金に関する不安は多くの人が抱えているはず。このコーナーではM&R Partnersの三方麻琴氏が、初心者の人にも分かりやすいよう資産運用のポイントを解説、 実際に利益を出すまでの手順についてレクチャーします。

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今回は、米国株トレードを行う上で重要な「ポートフォリオの組み方」について三方さんに解説していただきます。運用リスクを下げるためにポイントをしっかり理解しましょう。

 

① ポートフォリオとは

 

AsiaX:「ポートフォリオ」っていろいろな分野で使われる言葉ですね。もともとは書類を持ち運ぶための入れ物という意味だと聞きました。

 

三方:米国株トレードでいう「ポートフォリオ」もその意味から派生したもので、「投資銘柄の組み合わせ」のことを指します。

 

資産運用の格言の一つに、「タマゴは一つのカゴに盛るな」という言葉があります。タマゴをある目的地へ運ぶ時に、一つのカゴに全てのタマゴを盛って運ぶと、カゴを落としてしまった時にタマゴが全部割れて、台無しになってしまいますよね。しかし、タマゴを複数のカゴに分けて盛れば、カゴを一つ落としてしまっても、それ以外のカゴのタマゴは無事に目的地まで運ばれることになります。

 

つまり、「大事なタマゴ=お金」を「複数のカゴ=複数の金融商品(この場合は、複数の米国株式銘柄)」に分散することで、「全てのタマゴが割れる=致命的な損失が出る」というリスクを軽減させることができる、ということを「タマゴを一つのカゴに盛るな」という言葉で表現しているのです。

 

② ポートフォリオの組み方
(その1)セクターでポートフォリオを組む

 

AsiaX:投資銘柄をカゴ、お金をタマゴに見立てて考えるのはとても分かりやすくて良いですね。でも、米国株の銘柄といってもたくさんあるのでどう分散すればいいのか……。

 

三方:初心者でもわかりやすいのは、「セクター」で分散する方法でしょう。その一つとして、米国株を「一般消費財(Consumer Discretionary)」「生活必需品(Consumer Staples)」「情報技術(Information Technology)」「金融(Financials)」「ヘルスケア(Health Care)」「資本財(Industrials)」「素材(Materials)」「公益事業(Utilities) 」「エネルギー(Energy)」といったセクターに分類する考え方があります。

 

AsiaX:金融やヘルスケア、情報技術などは、どんな銘柄が入るのか何となく想像がつきますが、例えば、コストコのような小売チェーンはどのセクターに入るんしょうか?あと、航空会社にも興味があったりするんですが……株主優待で航空券がお得になったらいいなぁ、なんて(笑)。でも、どのセクターに入るのかわかりません。

 

三方:コストコやウォルマートなどの小売店は生活必需品(Consumer Staples)に分類されます。プロクター&ギャンブル、コカ・コーラなども生活必需品です。また、航空会社系は資本財(Industrials)です。資本財は他には、ゼネラルエレクトリック、3Mなどがあります。残念ながら、米国株には株主優待はありません。投資の見返りとしては、値上がりによるキャピタルゲインと、配当によるインカムゲインのみとなります。

 

AsiaX:なるほど。違うセクターの銘柄を選べば、「カゴ」を分けることになるんですね!

 

三方:その通りです。先に上げたセクターはそれぞれ、「景気後退時に強いディフェンシブ株(生活必需品・ヘルスケア・公益事業)」と「景気敏感株(一般消費財・情報技術・金融・資本財・素材・エネルギー)」に分けることができます。

 

例えば、投資銘柄を2つ選ぶ場合は、「ディフェンシブ株」と「景気敏感株」のそれぞれの中から1銘柄ずつ選択することによって、リスクを分散できるというわけです。

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