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座談会

2017年5月29日

現地採用者の声!シンガポールでの部屋探し

AsiaX:内覧をする際の注意点はありますか。

 

犬飼:内覧のときは、家具から照明、カーテンまで、もともと破損している箇所を確認するようにしましょう。写真を撮っておくなどして、後から請求された時に証明できるようにしておくのも1つの方法です。また契約期間中に解約した場合、発生する解約金の額やデポジットの返金規定なども確認しておきましょう。

 

AsiaX:入居後もさまざまなトラブルが起こりえます。トラブルが増える時期はあるのでしょうか。また実際に寄せられる相談にはどのようなものが多いですか。

 

犬飼:現地採用者、駐在者ともに住居探しのピークとなる3~5月は特にトラブルが増える印象です。ガス・水漏れが起きた、アリが大量発生した、前の住人が使っていた香辛料などの匂いが部屋に染みついていて困っている、など日本ではないような相談もあります。

 

田中:新築物件を借りる場合、電気が通っていなかった、普通に生活していれば避けられないような些細な汚れや破損に対しても修繕費用を請求されたなど、築年数が経った物件に比べてオーナーやエージェントとのトラブルが多いと聞いたことがあります。実際のところはどうなのでしょうか。

 

松原:私は2年間ほど新築物件に住んだ経験がありますが、退去する際にオーナーから、貸した時に比べて汚れているなどと言われ、支払っていたデポジットの何割かが返金されなかったことがあり、その時は納得できませんでした。

 

佐々木:私もシンガポールにきた当初新築の物件に住んだ経験があります。私の場合は特にトラブルは起きませんでしたね。

 

犬飼:築年数に関係なくトラブルは見受けられます。新築物件に関して言うと、オーナーは契約してから1年間、建設業者に破損部分の修繕にかかる費用などを請求できる保証期間があり、一般的にキッチン、バス、フローリング、キャビネット、空調機などが対象になります。そのため、居住者もその期間内の破損であれば修繕費用を支払う必要がないというメリットがあります。

 

AsiaX:話は変わりますが、2017年1月からEP発行について新基準が適用され、取得が難しくなっています。不動産業界で働いていて、その影響を感じることはありますか。

 

犬飼:これまでは2年契約のお客様が多かったのですが、最近ではEPが1年しか更新できない場合も多く、1年契約を希望される方も増えてきています。またお客様からも「いつ日本に帰ることになるか分からない」といった声が聞かれ、EPの新基準が適用されたことによる影響が出てきていると感じています。

 

AsiaX:最後に、参加者の皆さんから犬飼さんに質問はありますか。

 

松原:引っ越しや契約更新の時に、その地域の家賃相場を知りたいと思っています。どのように調べれば良いのでしょうか。

 

犬飼:都市再開発局(URA)がデータを公開しており、こちらが目安になるでしょう。
コンドミニアムはこちら:https://www.ura.gov.sg/realEstateIIWeb/rental/search.action
HDBはこちら:http://www.hdb.gov.sg/cs/infoweb/residential/renting-a-flat/renting-from-the-open-market/rental-statistics

 

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田中:一般的に、部屋に関する保険はどうなっているのでしょうか。自分でも何か保険に加入しておいたほうがいいのでしょうか。

 

犬飼:部屋や家はオーナーの所有物となるため、通常はオーナーが損害保険などに加入しています。そのため個人で必ず保険に加入しなければならないということはありませんが、思い入れのある家具など、日本から持ってきたものに保険をかける方はいらっしゃいますね。

 

AsiaX:部屋探しには本当にいろいろなポイントがありますね。犬飼さん、最後に読者の皆さんに向けてメッセージをお願いします。

 

犬飼:女性の視点から、日本人の奥様や一人暮らしの女性のサポートができればと思っています。住居トラブルでシンガポールでの生活を楽しめないことにならないように、困ったり悩んだりした時は早めに専門家に相談するようにしてくださいね。

 

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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.322(2017年6月1日発行)」に掲載されたものです。

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