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座談会

2017年5月29日

現地採用者の声!シンガポールでの部屋探し

AsiaX:本日はお集まりいただきありがとうございます。まず皆さんがシンガポールに来られた時期と、その時どのように部屋を探したのかをお聞かせください。

 

佐々木:私は日本の会社からの派遣で1997年に来星しました。最初に住んだ物件は、会社から紹介されたエージェント経由で見つけました。大変気に入って結局十数年同じところに住みましたが、家族の帰国と、会社を辞めて自分自身で仕事を始めることになったのを機に、インターネットを使って仕事が出来るHDBの物件(部屋)を探しました。しかし、下見の際に、一日中家にいると大家に話しただけで電気代が高くなるなどの理由で断られ、10件以上も下見してやっと決めることができました。

 

松原:私は8年前に来星しました。最初は来星を後押ししてくれた知人のシンガポール人が物件を見つけてくれたのですが、たった1ヵ月で建物の取り壊しのために退去しなければならなくなりました。それ以降は自分で物件を探すようになり、これまでに8回引っ越しをしました。
物件を探すにはエージェントに対する紹介料がかからない、インターネット上の情報サイトを使うのが良いと思っています。これまで、日本人向けのサイト「お役立ちウェブサイト」や、ローカル向けのサイト「イージールームメイト」などを使って探してきました。

 

田中:私は1998年に来星しました。当時は日系の不動産業者が提供するサービスは主に家族を伴う赴任者や法人などを対象とした駐在員向けで、現地採用として来星した私が単身者向けの賃貸情報を得るには、自分で探すほかありませんでした。また当時は賃貸情報などを扱うサイトもまだない頃で、シンガポールの新聞「ストレートタイムズ」の貸し物件欄を見て探しました。1件ずつ電話をかけては物件を見に行き、その中で気に入ったところに決めました。そこはオーナーとの同居でしたがすごく良い方で、実際に住んでみて特にトラブルもなく3年間住みました。

 

AsiaX:皆さん、さまざまなご経験をお持ちですね。今の住まいについて、住み心地はいかがですか。

 

田中:私は今の部屋をとても気に入っています。実は先程お話した最初に住んだ家に最終的には戻り、計8年ほどになります。気に入っている理由は、MRTの駅やショッピングセンターから近いわけではありませんが、一緒に住んでいるオーナーが家族のようにとても良くしてくださるので居心地が良いのです。職場から近い、家賃が安いといった理由で部屋を借りるのも一つですが、オーナーとの相性も大切だと感じています。

 

佐々木:現在は直接知り合いの人からHDBの1室を借りて生活しています。その人は私の仕事のこともよく理解してくれていて、先方からよかったら入居しないかと話をしてくれたので契約までのプロセスもとてもスムーズでした。以前は郊外の比較的新しいHDBに住んでいたのですが、契約上、料理ができないうえに、新興住宅地のため周りに飲食店もなかったのがとても不便でした。今は住んでいるHDBの隣がホーカーセンターで、一人暮らしの私にとってはとても便利です。

 

松原:現在はHDBの1ユニットを借りて友人3人とシェアしています。私も今の部屋は住みやすいと感じています。オフィスまでの通勤時間が30分以内なうえ、都心ではないのでスーパーで売られている食品の価格が良心的なところも魅力ですね。

 

AsiaX:皆さんに共通しているのは、どこに住むかというより、その物件が自分にとって居心地のいい空間であるかが大切ということですね。
犬飼さんに質問なのですが、現地採用者が一人暮らしをする場合、現在はどのようなスタイルが主流なのでしょうか。

 

犬飼:ルームシェアが主流ですね。女性の場合、海外での一人暮らしに不安があり、セキュリティー面などでHDBには少し抵抗があるという方が多いようです。少し家賃が高くても、居住者しか敷地内に入れないようになっているコンドミニアムを選ばれる方が多いですね。男性の場合は、女性に比べてHDBの物件を探す方が多いです。あとは男女ともに、1人部屋を希望して郊外のワンルームを探される方もいらっしゃいますね。

 

AsiaX:現地採用の方含め日本人に人気のエリアはありますか。

 

犬飼:通勤に便利ということでラッフルズ周辺やノビーナ、ニュートン、オーチャード、ドビー・ゴート、リバーバレーは以前から人気が高いエリアです。MRT東西線のティオンバルやレッドヒルも人気があります。広い部屋を好まれる方だと、イーストやウエストなどの郊外に住まれる方や、出張が多い方だとチャンギ空港近くに住む方もいらっしゃいます。お子様がいらっしゃるご家族は、日本人学校のバスルートを重視して選ばれる傾向がありますね。駅もしくはショッピングモールに近い物件が増えたことにより、エリアの選択肢が増えています。

 

田中:最近では、シンガポール全体に日本人の居住エリアが広がっていますよね。

 

犬飼:はい、日本人の居住エリアが拡大する中で、人気エリアも分散してきている印象を受けます。またシンガポールは日本と違い、国内のほとんどのエリアが通勤圏内なので、一部のエリアに人気が集中しないのでしょう。そのため、カトン、ベドック、ワンノース、アンモキオなど、さまざまなエリアに日本人が住んでいます。

 

AsiaX:スクールバスのネットワークが拡大したことも大きいですね。またシンガポール政府は1990年台後半頃から、オーチャードなどの中心部に集中していた居住者を分散させるため、郊外に大型ショッピングセンターなどを多く建設しました。こちらも要因になっているようです。

 

犬飼:そうですね。以前は日本人居住者が少なかったジュロンも今では人気があります。

 

AsiaX:中には佐々木さんのように、自宅で働きたいという人もいるのではないかと思います。その場合の部屋探しの注意点や必要な手続きについて教えてください。

 

犬飼:契約上、自宅を仕事場にすることが禁じられていることもあり、発覚した場合にペナルティーを課せられることがあるので注意が必要です。一方で、自宅を仕事場にすることで騒音が出る、部屋を訪れる人が増える、電気の使用量が増える、といったことにならなければ問題ないと判断するオーナーもいらっしゃいます。一度オーナーに確認してみましょう。
なお個人事業主として働く際は、住所の登録が必要になります。その際には公認会計士の方に相談してみるといいでしょう。

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