2017年4月5日
【歌手】夏川りみさん
ひとりひとりに手渡しするような感覚で、自分の歌を伝えていきたい
1999年のデビュー以来、数々のヒット曲で知られる歌手の夏川りみさん。代表曲のひとつである「涙そうそう」は、中国語でカバーされるなど、海外でも高い人気を誇る。今年4月22日にはブオナビスタにあるスターシアターで、自身にとって初となるシンガポールでのコンサートを開催する予定だ。そんな夏川さんに、自身の歌や海外での活動などに対する思いについて聞いた。
目次
- 今回のコンサートの開催が決まるまでの経緯や、コンサートへの意気込みについて教えてください。
- 台湾でもコンサートを開催されています。思い出に残っている出来事などがあればお聞かせ下さい。また海外のファンの方からの反響について、どう感じていらっしゃいますか。
- 代表曲のひとつ「涙そうそう」は、シンガポールの歌手である蔡淳佳(ジョイ・ツァイ)さんによって、中国語でもカバーされています。また「花~すべての人の心に花を~」はタイでも知名度が高いなど、夏川さんの曲は海外でも人気があります。これらの歌が海外で受け入れられる理由やその魅力について、どうお考えでしょうか。
- 東日本大震災が発生した2011年、台湾公演を予定通り行い、日本赤十字社を通じて収益を被災地に寄付したそうですね。その時の思いについてお聞かせ下さい。
- 肝炎総合対策推進国民運動事業「知って、肝炎プロジェクト」のスペシャルサポーターを務めていらっしゃいます。活動内容などについて教えてください。
- 昨年11月には、5年ぶりのシングル「あしたの子守唄」を発売されました。この歌に対する思いについて教えてください。
- 今後の活動の展望についてお聞かせ下さい。海外の活動により力を入れていくおつもりでしょうか。
- 日本および海外のファンの方へ、一言メッセージをお願いします。
今回のコンサートの開催が決まるまでの経緯や、コンサートへの意気込みについて教えてください。
「涙そうそう」がシンガポールでも人気があるということで、今回のコンサートが決定しました。シンガポールの皆さんの前で歌えることを、とても嬉しく光栄に思っています。
―シンガポールでのコンサートは初めてとのこと。シンガポールという国や音楽文化、または食文化に対して、どのような印象をお持ちですか。
シンガポールでは、さまざまな人達が元気でフレンドリーに交流しているイメージがあります。今回、シンガポールの音楽文化や食文化に直接触れられるのがとても楽しみです。
台湾でもコンサートを開催されています。思い出に残っている出来事などがあればお聞かせ下さい。また海外のファンの方からの反響について、どう感じていらっしゃいますか。
台湾ではこれまで、8回コンサートを開催しました。一番印象に残っているのは最初のコンサートで、初めてなのに多くのお客様が来てくださりとても嬉しかったです。台湾ではテレサテンさんの歌や、現地で人気の歌を歌うと大きく盛り上がります。海外のコンサートでは、来てくださった皆さんがとても喜んでくださるのが印象深いですね。
代表曲のひとつ「涙そうそう」は、シンガポールの歌手である蔡淳佳(ジョイ・ツァイ)さんによって、中国語でもカバーされています。また「花~すべての人の心に花を~」はタイでも知名度が高いなど、夏川さんの曲は海外でも人気があります。これらの歌が海外で受け入れられる理由やその魅力について、どうお考えでしょうか。
国や文化に関係無く、人の心に響くメッセージが込められているからだと思います。涙そうそうの歌詞は、歌手の森山良子さんが亡くなられたお兄様を想い、書かれたものです。もう二度と逢えない人を思い出し、切なくなる気持ちは万国共通だと思います。そんな素敵な歌を歌えて、とても幸せです。
東日本大震災が発生した2011年、台湾公演を予定通り行い、日本赤十字社を通じて収益を被災地に寄付したそうですね。その時の思いについてお聞かせ下さい。
コンサートの収益は、お客様からの元気のおすそ分けだと思っています。そのお客様の元気を、大変な思いをされている被災地の方に、少しでも届けられればと思いました。
肝炎総合対策推進国民運動事業「知って、肝炎プロジェクト」のスペシャルサポーターを務めていらっしゃいます。活動内容などについて教えてください。
肝炎は、血液検査を受けることで早期発見、早期治療が出来る病気です。検査のサポート体制も整っていますので、まだ検査を受けられていない方には、少しでも早く検査を受けていただきたいと思い、イベントへの参加や自治体の表敬訪問等の活動をしています。
昨年11月には、5年ぶりのシングル「あしたの子守唄」を発売されました。この歌に対する思いについて教えてください。
「あしたの子守唄」は、アジアでも人気の「島唄」で有名な元THE BOOMの宮沢和史さんに作詞・作曲していただいた歌で、今回のコンサートで海外初披露となります。今この世界は、何が起こるかわからない不安な時代になってきていますが、この歌には今日よりも明日、明日よりも明後日、そんな未来に希望を持つことで、今を元気に生きられるというメッセージが込められています。私はこの歌から元気をもらっています。そんな元気な気持ちを、聴いてくださる方に少しでも感じてもらえると嬉しいです。
今後の活動の展望についてお聞かせ下さい。海外の活動により力を入れていくおつもりでしょうか。
今後も日本だけでなく世界各地で、歌を聴いてくださる方ひとりひとりに手渡しするような感覚で、自分の歌を伝えていきたいと思っています。
日本および海外のファンの方へ、一言メッセージをお願いします。
私は歌うことが大好きで、歌っている瞬間が一番幸せです。その幸せな気持ちを聴いていただく方に少しでも感じてもらい、元気な気持ちになってもらいたいと思っています。シンガポールでも、来てくださった皆さんが少しでも元気な気持ちになれるよう心を込めて歌います。お楽しみに!!
夏川 りみ(なつかわ りみ)
1973年沖縄県石垣市生まれ。1999年にシングル『夕映えにゆれて』でデビュー。2001年にリリースした3枚目のシングル『涙そうそう』が大ヒットし、2002年から5年連続でNHK紅白歌合戦に出場した。2004年には、日本レコード大賞で最優秀歌唱賞を受賞。台湾や香港、上海などでも公演を行い、アジアでも人気を得る。2015年には台湾の桃園市と台南市でコンサートを開催、約5,000人を動員した。趣味は香水集め、好きな言葉は「感謝の気持ちを忘れずに」。
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.320(2017年4月1日発行)」に掲載されたものです。
(取材:佐伯 英良)