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新規進出企業レポート

2016年5月16日

日本M&Aセンター(Nihon M&A Center Inc.)M&A通じ日系企業の海外進出支援 海外企業の事業承継問題にも対応

M&Aへの抵抗少ないASEAN中小企業
日系企業との資本提携ニーズも

一方、売り手側のニーズについて、西井氏は「ASEAN諸国の中小企業にはオーナー企業や家族経営のところが多く、日本と同様に事業承継問題を抱えている所も多くあります。これらの国では高齢化も進んでいるため、事業承継はこれからますます深刻な問題になるでしょう」と分析する。このほか、日本市場へのアクセスに向け20~30%の資本提携をしたいといったニーズも高いという。

 

M&Aに対する考え方も日本とは異なるとの見方だ。「日本の場合、親から受け継いだ会社を手放すのを惜しむ経営者が少なくないのに比べ、海外ではM&Aによる企業譲渡に抵抗の少ない方が多いと言えます」(西井氏)。こうした点は、M&Aを行ううえではむしろ有利といえるのかもしれない。

 

「日本には、資金はあるけれど国内に投資先がないといった企業も多くあります。われわれのネットワークを通じて、そうした企業による海外企業の買収ニーズを把握できるのが当社の最大の強みです」と西井氏。日本国内で培った知見やネットワークを活かし、中堅・中小M&A市場のフロンティアであるASEAN諸国へ打って出る考えだ。

 

 

 

会社プロフィール
中堅・中小企業のM&A支援業務を手掛ける日本M&Aセンターのシンガポール支店。シンガポールを含むASEAN各国の市場調査や、提携先の開拓などを担う。

Nihon M&A Center Inc.

80 Raffles Place, #59-02, UOB Plaza 1, Singapore 048624
Tel: 6817 5490
www.nihon-ma.co.jp

 

取材後記

新卒で入社後、国内でさまざまなM&A案件を手がけてきたという西井氏。シンガポール国立大学に留学し昨年MBAを取得、若干30歳で支店の代表を任された。日本M&Aセンターは「チャンスを与えてくれる環境」と話す。

 

座右の銘は「自利利他」と「Warm heartにCool head」。クライアントファーストの姿勢を基本に、専門家としての知見を元にロジックを組み立て、相手に共感してもらえるよう感情を込めて伝えていく、という考え方だ。これらは日本M&Aセンターの業務方針でもあり、これまでの経験から学んできたという。

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