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4賢人の知恵袋 ~新時代のビジネスアプローチ~

2016年5月2日

マーケティング編 第3回 本物のマーケティングの実践(1)最も大切な視点

利益を捻出するために多くの企業が取り組むことは、合理化とコストの削減です。これをどんどん進めていくとどうなるでしょうか。オリジナリティのある商品やサービスがどんどん削られ、だんだんと無機質な消耗品(コモディティ)になっていきます。そのプロセスのなかで商品だけではなく、お客様も消耗品、つまりはモノと化していきます。思いやりのある会話や個別対応が失われ、ベルトコンベヤーの上に乗せられたようにお決まりのシステムによって機械的に対応される感覚、つまり自分がモノとして扱われているような感覚を感じた経験をお持ちの方は少なくないでしょう。

 

当たり前ですが、人はモノではありません。モノとしてなど扱われたくはありません。だから自分をモノとしてではなく、人として扱ってくれる、大切にしてくれる場所を探します。その時、あなたはお客様に選ばれる存在になるのか、切られる存在になるのか。その選択はお客様の自由ではなく、あなたの自由です。どちらを選ぶかはあなたの行動次第です。

 

これが先ほどの「果たして元が取れるのか?」という問いに対する答えなのですが、「自分ならモノとして扱われたいか、人として扱われたいか」という極めて当たり前のことが、売上や利益に焦点が当たっていると見えなくなります。

 

ぜひ、あなたのお客様を人として接してください。人にはそれぞれ異なる人生があり、目標があり、あなたの元を訪れる理由があります。人は一人ひとり違うのだということ、誰もがそれを分かってほしい、大切にしてほしいと思っていることを忘れないでください。それを本当の意味で理解した時、あなたの仕事も人生も、もっともっと飛躍し始めるはずです。

 

Mr-Toriuchi鳥内 浩一(とりうち ひろかず)
株式会社リアルインサイト 代表取締役・経営コンサルタント
10 年以上にわたり、経営者・マーケッターとして現場で活動しながら、100業種300社以上のクライアントに対してコンサルティングを行う。規模の大小・業 種業態を問わず、業績向上へと導く手腕に定評がある。著書に「売れる仕掛け」「逆説の仕事術」「『コラボ』の教科書」。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.301(2016年5月2日発行)」に掲載されたものです。

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