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法律相談

2008年1月1日

Q.Foreign Worker対象に医療保険に加入しなければならないとのことですが、この制度についてコンプライアンス上どのような点に気をつければよいか説明をお願いします。

2008年1月施行の強制医療保険制度について

Foreign WorkerおよびDomestic Workerについては、2008年1月1日より、新しいスキームによる強制医療保険の制度が施行されました。以前は、一定条件を満たす場合には外国人に対する公立病院での入院費等の医療費を補助する制度が存在していましたが、近年外国人労働者の数が急激に増加しているのに加え、医療水準が高度化して医療費が時に高額になること、それに伴い政府補助金の負担が増大していることを理由に、外国人への医療費補助金制度が2008年1月1日をもって打ち切られることに決定されました。

 

そうすると、外国人労働者が予期せぬ病気や怪我により入院したり手術が必要となった場合に外国人労働者の自己負担が増えることが予想される一方で、このような負担を完全に外国人労働者個人の負担とするには酷であるということから、外国人労働者の雇用主が、各外国人労働者のために、最低限度の入院医療費をカバーするための医療保険に加入すべきとし、全ての外国人労働者を雇用する雇用主については、医療保険への強制加入を義務付けることに決定されました。これに伴い、2008年1月1日以降においては、以下に該当する従業員を雇用する場合この強制医療保険加入の対象となりました。

 

  • (i) ワーク・パーミット、又は、 (ii) Sパスにて就労する場合、又は、
  • 家内労働者については、新規の雇用の場合全ての者、又は、既に雇用されている者の場合は、2008年1月1日以降のワーク・パーミット更新時。

 

なお、シンガポールで就労する外国人であっても、エンプロイメント・パス所持者については強制加入保険は要求されません。また永住権保持者(PR)の外国人についてもCPF制度に加入しているためこの強制保険の対象外です。

 

強制医療保険のカバー内容としては、最低でも1年間当たり5000シンガポール・ドル相当以上の金額で、(i)入院費用および(ii)日帰りの手術費用、をカバーできるものであることが条件として定められています。

 

また、Workmens’ Compensation Actにより要求されているいわゆる労災保険と、今回導入された強制医療保険とは、保険の対象となる範囲が異なります。つまり、強制医療保険は、入院および日帰りでの手術にかかる医療費を対象とするものですが、職場あるいは業務上の事故・けがや病気以外も対象になっている点で、Workmens’ Compensationと範囲が異なります。したがって、雇用主は労災保険についても継続して加入する義務を負っています。

 

この強制医療保険加入に必要となる掛け金は、雇用主が負担すべきものとされています。したがって掛け金の負担を外国人労働者へ転嫁することは出来ないとされています。医療保険に加入した場合の手続きとしては、雇用主は医療保険の内容を当局へ報告することが義務付けられます。この報告はワークパーミット・オンラインにて可能となっています。その際には、各従業員について

 

  1. 保険会社名
  2. 保険証券番号
  3. 付保開始日
  4. 失効日

 

の4つの情報について報告しなければならないとされています。

 

強制医療保険に加入しておりかつ常に加入状態を維持すべきことは、ワーク・パーミットおよびSパス認可の条件の一つとして定められています。この上記の強制保険加入条件に関して違反があった場合については、雇用主に対して刑事罰が定められています。刑罰の上限は (i) 5000ドルを超えない範囲での罰金、又は(ii) 6ヶ月を超えない禁固刑、または(iii)その両者が課せられるとされています。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.113(2008年01月01日発行)」に掲載されたものです。

本記事はは一般情報を提供するための資料にすぎず具体的な法的助言を与えるものではありません。個別事例での結論については弁護士の助言を得ることを前提としており、本情報のみに依拠しても一切の責任を負いません。

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