シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP3年前にシンガポール人の友人A氏に2万ドルを貸し、再三返済を請求...

法律相談

2005年3月7日

Q.3年前にシンガポール人の友人A氏に2万ドルを貸し、再三返済を請求しましたが返してくれません。法的手段に訴えたいと考えていますが、可能ですか。

貸金債権回収の手続き

貸金債権回収の手続きとして可能です。まず友人ですのでこれからの人間関係等も考慮して裁判が必要か熟慮する必要があります。そこでA氏に再度の話合いを申入れて交渉をするのが賢明です。支払い期限延長や分割払い等の条件で譲歩できれば、費用も手間もかかる訴訟をせずとも解決が可能なことがあります。もし自分で交渉するのが難しい場合弁護士に依頼して交渉を行うことができます。

このような交渉も失敗に終わり訴訟手続に入る場合、個人で申立てを行うか弁護士に依頼するか選択肢があります。個人でも債権回収手続きは可能ですが、訴訟手続きに精通していない場合には弁護士に依頼するほうが便宜です。

 

弁護士に依頼すると、正式裁判の前に相手にLetter of demandという書面を送るのが通常です。このレターには最後の任意支払いのチャンスを与えると意味と、支払拒絶と請求の事実があることを客観的に証明する意味があります。もしレターに指定した期日内に任意支払いがされなかった場合、本件は訴額6万ドル以下なので下級裁判所に訴状を提出します。

 

訴状が提出され適法に送達されると、A氏に8日間の応訴するかどうか決定するための準備期間が与えられます。A氏がこの期間に応訴して争う場合は、さらに14日間答弁の準備期日が与えられます。もしこれらが期日内に行われなかった場合、勝訴判決を得ることができます。もしA氏が争った場合でも、正式な証人尋問等を必要としない簡易な審理を行った上勝訴判決を得ることは可能です。

 

勝訴判決を得るためには、立証に十分な証拠文書があることが必要です。証拠文書は、金額、当事者の氏名、住所など個人情報、金銭の貸借であることの記述、A氏の同意と署名、日付、弁済期日の記載が重要です。証人の署名があればさらに有利です。日本語の文書には翻訳文を添付することで証拠とすることが可能です。もし口約束で文書証拠がない場合や、文書があっても必要な法律要件が記載されていない等の場合、立証が難しくなります。

 

なおシンガポールでは消滅時効は6年であり注意が必要です。原則として弁済期日より6年以内に手続きをとらなければなりません。

判決を得た場合の執行にはいくつか方法があります。個人の資産を差押さえ売却する方法があります。銀行口座情報がわかっている場合、銀行口座から回収するための申立ても可能です(Garnishee Order)。 債権額が1万ドル以上の場合は弁護士に指示して破産宣告申立てを行う場合もあります。

 

裁判費用については敗訴当事者の負担として命令されるのが通常ですが実際かかった金額に満たない場合があります。差額がある場合自己負担となることに留意が必要です。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.034(2005年03月07日発行)」に掲載されたものです。

本記事はは一般情報を提供するための資料にすぎず具体的な法的助言を与えるものではありません。個別事例での結論については弁護士の助言を得ることを前提としており、本情報のみに依拠しても一切の責任を負いません。

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