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嶋津良智の「リーダーにつける薬」

2013年1月21日

評価制度導入を成功させる5つのポイント

皆さんの会社にも評価制度が存在すると思います。

戦略と予算とキャッシュフロー、そしてこの評価制度は、成果を上げる4点セットです。

 

 

まずは、いつまでに何をどうやるのかという戦略を決定し、その戦略に対して、いつどれくらいの売上が上がり、どれくらいのコストがかかり、どれくらいの利益が見込めるのかという予算を作成します。そして、その予算計画書を基に、どうキャッシュの動きがあるのかキャッシュフロー計算書を作成し、最後にその戦略を誰がどの部分を担当してやり抜くのか、という役割分担をします。それぞれがそれを成し遂げたらどうなるのか、ということを評価制度に落とし込むというのが基本的な流れです。

 

 

もし、評価制度がないとしたら、自分がいつまでに、どんな行動を起こして、どんな成果を出したら、どんな評価をしてもらえるのかわからないまま仕事をしている人達がゴロゴロしていることが想像できてしまいます。

 

 

ところが、評価制度はあるがうまく機能していないという会社も結構あるのが現実です。そこで、私が伝えたい評価制度導入成功のポイントは次の5つです。

  1. まずは、部下を持つ上司自らが内容を理解して自分の言葉で部下に話せること。
  2. 評価内容に従業員の納得感があること。
  3. 従業員の成果が「点」になってしまうことなく、会社の戦略と「線」でつながれていること。
  4. 評価制度の内容は各個人の身に降りかかってくることなので、自分にとってマイナスと判断した従業員は抵抗勢力となりえます。しかし、自信を持って導入を決定したのであれば、徹底してやりぬく信念を持つこと。
  5. 導入に成功することがゴールではなく、現場の納得感が得られるよう常によりよい評価制度にしていくために、メンテナンスを欠かさないこと。

これら5つのポイントの中で、私は一番重要なのは、2だと考えています。どんなに素晴らしい評価制度でも従業員が納得していなければモチベーションが下がり、業績に悪影響が出ます。

 

 

逆に、他社から見ればどんなにできの良くない評価制度でも、それによってモチベーションが上がり、従業員が頑張って自己の成長を実現し、会社の業績が向上すればいいわけですから、制度の良し悪しよりも「納得感」が必要なのです。

あまり難しくは考えず、以上を守れば評価制度は機能します。頑張ってください。

文=嶋津良智(しまづよしのり)


株式会社リーダーズアカデミー
代表、シンガポール在住。
2度の株式上場体験を活かし、日本・シンガポールを始め、アジアを中心に経営コンサルとして活動。世界9ヵ国12都市でチャリティーセミナー実施。
最強の部下を育成し、最強の組織を作る、業績向上のための独自プログラム『上司学』が好評を博す。著書7冊執筆、韓国・台湾でも翻訳されている。

 

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.227(2013年01月21日発行)」に掲載されたものです。

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