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新規進出企業レポート

2015年8月13日

日本のコンテンツを東南アジアへ 113年の歴史とともに新業態を開拓

MURAYAMA Singapore Pte. Ltd.

展示会やイベント、ミュージアム、テーマパークなど多岐にわたる空間創りを手掛ける株式会社ムラヤマが、今年5月、シンガポールに現地法人ムラヤマ・シンガポールを設立した。

 

113年の歴史があり、多数の実績を持つ同社にとって海外の拠点設立は2008年の中国・上海に続いて2ヵ国目。ムラヤマ・シンガポール取締役の麻生勝さんは、シンガポール独自の業務スタイルをめざすと話す。

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「ムラヤマの歴史は受け継ぐものの、異なるDNAを持つとでもいいますか。これまでは企業などの委託を受けてから企画、演出、運営を行うというスタイルが主でしたが、シンガポールでは仕事そのものを弊社主導で創造し、オーガナイズする業務を中心に取り組みます。マーケティング、コンサルティング、マッチングをベースにビジネスを創る拠点です」。

 

シンガポールにはすでにイベントを企画・運営する会社が多くある中、ムラヤマならではの強みである日本とのつながりで差別化を図る。日本と世界の市場をつなぐプロジェクト「J-プロデュース」を立ち上げ、培ってきたノウハウを活かす。

 

「技術、観光、デザイン、アート、エネルギーなどさまざまな分野で魅力を持つ日本発のコンテンツを紹介したいと思っています。ビジネスのエリアとしてはBtoBの取引であったり、マッチングの先が政府関係であったりするでしょう。シンガポール、東南アジアで多くの人が興味を持っているもの、そして政府、国が重要視し、必要となるであろうものを紹介したい。同業他社とは競合するのではなく、私どもがつくりだすプロジェクトに参画をしてもらい、展示会を運営してもらうなど『共創』の関係でありたいと思います」。

 

世界のオーガナイザーが集まる「情報市場」としてのシンガポール

 

日系企業の中国から東南アジアへのシフトが進んでいるが、株式会社ムラヤマでも上海に続く海外の拠点として東南アジア進出は以前から検討されていた。

 

「中国は開催される展示会も多く、非常に大きい市場ですから、現在も上海でのビジネスを継続していますが、中国特有の課題もあります。一方で東南アジアは親日性が高く、近年の安定性もシフトが進む要因だと思いますが、弊社がシンガポールを選んだ理由は、様々な企業の統括拠点であるだけでなく、世界的なイベントのオーガナイザーの拠点が当地に集中していることがあります。そうした環境から、シンガポールは『情報市場』としての魅力があるのです。シンガポールの拠点は当社にとって今後の海外展開の道しるべとなる役割を担っています」。

 

同社は拠点をシンガポールに置くが、東南アジア全域を垣根なく扱うという。

「今注視しているのはタイ、マレーシア。次にインドネシア、ベトナム、フィリピン。当社主催による展示会、イベントを開催し、拡大、継続していきたいと思います」。

 

 

会社プロフィール

株式会社ムラヤマは各種展示会、イベント、施設の空間創りをトータルでプロデュースする企業の老舗として、創業1902年の歴史を持つ。多数の実績には国際的テーマパークのアトラクションや環境演出、スポーツの国際大会、国家行事、国際会議、博覧会パビリオンなども含まれる。

MURAYAMA Singapore Pte. Ltd.

80 Robinson Road #10-01A Singapore 068898

Tel:6420-6392

www.murayama.sg

取材後記 

 海外の拠点を立ち上げるのは、麻生さんにとって今回が2社目。上海現地法人の立ち上げに携わり、総経理を務めていた。「拠点を設立する『立ち上げ屋』です。中国に比べるとシンガポールは英語も通じるので暮らしやすいですね」。

 趣味は20年以上のキャリアを持つ写真。個展を開いたことも。「撮るのはネイチャー(自然写真)です。日本では横浜の里山の風景を撮っていました。シンガポールでもマクリッチ貯水池などで撮影しています」。

作品はフェイスブック、ブログでご覧になれます。

https://www.facebook.com/masaru.aso.5

 http://masaru86.cocolog-nifty.com/masaru_asos_photo/ 

座右の銘は「有言実行。」「言ったことは必ずやる、約束を守る」など、この言葉はビジネスマンの基本だと私は思っています。

 

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