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新規進出企業レポート

2015年9月12日

定期便就航、観光客誘致、県産品の販路拡大をめざす

沖縄県シンガポール事務所  沖縄県産業振興公社シンガポール事務所

シンガポールから沖縄への訪問者数が増えているという。当地の人たちの多くは日本への観光にシンガポールにはない季節感を求めていると思われ、シンガポールと似た気候の沖縄が人気とはちょっと意外に思われるが・・・・・・。

 

「シンガポールから沖縄への訪問者は、2011年度は1,000人でしたが、昨年度は4,400人、今年度は7月の時点ですでに2,100人という数字が出ています」と沖縄県シンガポール事務所の玉城勝也所長。シンガポールからの旅行者は、域内の周辺の人気のビーチリゾートと沖縄の海を比べて、その美しさと水の透明度に驚くという。

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観光客の誘致は、今年4月に開所した沖縄県シンガポール事務所が取り組む主な業務の一つだ。「北海道や東京、京都、大阪といったいわゆるゴールデンルートをすでに経験された方に沖縄に注目してもらいたいと思っています。沖縄特有の文化、長寿の健康アイランド、そして160ある離島めぐりなど沖縄には多彩な魅力があるので、まだまだ観客数は伸び代があります」。

 

沖縄県はチャンギ空港と2014年3月に観光や貿易の促進を図るため覚書を締結しており、昨年はシルクエアとジェットスターとで沖縄直行のチャーター便が運航。また「Be.Okinawa」のキャッチフレーズとともに、近年シンガポールでも積極的にイベントやプロモーション活動が行われ、沖縄の認知度アップが図られた。こうしたことが沖縄への旅行者増に貢献したと思われる。

 

沖縄ならではの体験型観光が人気  さまざまな県産品を売り込む

 

シンガポールからの旅行者には工房でのシーサーの置物作りや、もずくの収穫体験といった沖縄ならではの体験型アクティビティが人気という。また、シンガポールからは個人旅行者が多く、レンタカーでの移動が便利な沖縄に適しており、現地ではカーナビの英語、中国語対応が進んでいる。

 

観光客誘致と並ぶ柱として、県産品の販路拡大に取り組んでいる。黒砂糖、塩、もずく、海ぶどうなどをシンガポールでも食材として使ってもらえるようにしたいと意気込む。

 

「先ごろシンガポールで行われたイベントでは、沖縄の食材を使って一般家庭でもつくってもらえるような料理を紹介しました。沖縄の食材の食べ方も一緒に知ってほしいと思っています」。さらに沖縄を代表するビールであり、現在シンガポールでは飲食店やスーパーなど80軒以上が扱っているオリオンビールのさらなる取扱店舗の拡大、そして泡盛をカクテルベースとして提案し、広めていきたいという。

 

食品に限らず、琉球ガラス、海洋深層水など化粧品、国際的にも評価が高いオーボエなどの楽器メーカーの販路拡大支援にも取り組む。「私が着ている『かりゆしウェア』もシンガポールの気候に合うので紹介したい県産品の1つです。普段着用から正装までいろいろな種類があります」。

 

沖縄県シンガポール事務所にとって観光と物産の相乗効果を得るために、シンガポールと那覇間の直行定期便の就航実現が当面の目標となっている。

 

 

事務所プロフィール

沖縄県シンガポール事務所は1995年から2003年にも開設されており、戦略的な重要性から今年4月に再開した。ASEANはもとより中東、ヨーロッパからの観光客誘致や県産品の販路拡大もめざす。沖縄県のアジアにおける海外拠点はシンガポールのほか、北京、上海、香港、台北にある。

Okinawa Prefectural Government  Singapore Representative Office

(Okinawa Industry Promotion Public Corporation)

1 North Bridge Road #22-09 High Street Centre Singapore 179094

Tel:6694-6408

 

取材後記 

玉城さんは那覇市出身。シンガポールに赴任する2年前は中東オマーンの首都マスカットにある日本大使館に出向していたそうです。趣味はスキューバダイビング。さすが沖縄出身と思えば、ライセンスを取得したのは意外なところでした。「オマーンは娯楽があまりないところだったので、スキューバダイビングのライセンスを取りました」。

 

ビール党で、シンガポールで日本のビールがおいしいことに感動したそう。「オリオンビールを広めることはもちろん、いろんなビールを飲んで知ることが大切だと思っています」。

 

座右の銘は「堅忍不抜(けんにんふばつ)。意思を強く持ち、我慢強く、流されることなく己を貫くという意味です」。

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