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ビジネス4賢者が送る、成功への道しるべ

2014年8月18日

リーダーシップ編〈第1回〉リーダーは夢を語れ

起業したての会社は……

最近、起業したばかりの会社に伺うことが多く、事務所の中を見ると創業間もない匂いがプンプンして、私が起業した20年前を懐かしく思い出します。事務所もビルではなくマンションの一室で狭苦しく、お世辞にもきれいとは言えない。さらには給料も安月給。起業間もないので、人がいない、物がない、金がない、情報がない、時間がないの、ないないづくしで働くことになります。それでも、そこでは少ない社員が、みんな活き活き元気に働いている。なぜだろう……

 

夢を語れ!

話をしていて思うのは、みんな「いずれこうなる」という想い(夢)を食べて一生懸命がんばれているような気がします。逆を言えば、彼らが夢を食べることができずにいると、目先の苦労やイヤなことばかりに目が向き、餓死(退社)してしまうでしょう。ですから、私がいろいろな会社の社長の方々によくアドバイスをするのは、とにかく会社が小さければ小さいほど、社長は社員に対して夢を語ること。「自分たちは何のために頑張っているのか?」という目的を、メッセージとして明確に送り続けることが必要なのです。

 

日本初の週休3日制?

もちろん、大きなビジョンを語ることは必要ですが、それだけでは私はダメだと思っています。彼らが身近に感じることができる小さなワクワク感も必要です。私は起業した当初、まだ社員が10人程度でしたが「ステップ100」というビジョンを掲げていました。これは、従業員100人体制を平成10年までに作ると言うビジョンでした。

 

更に、目先のワクワク感として

「そういえば世の中に週休3日の会社ってないよな、週5日の仕事を4日間で終わらせられるようにして、日本初の週休3日の会社を作るってどう?」
と従業員に何気に提案をして、いろいろな夢やワクワク感を持って仕事をしていました。それ以外にも
「みんなで期日決めて車買うのはどう?」
「値札見ないで買い物がしてみたいね」
「いずれ結婚したら自分の家が欲しいよね」
「早く○○な環境のあるちゃんとしたオフィスに引っ越しをしたいよね」
などなど、コミュニケーション、飲みにケーションを含めて、よく話をしました。

 

予定は未定

今から思うと予定は未定でいろいろなことが実現しなかったのが現実ですが、それでもそういった夢やワクワク感を持たせ続けるのは、社長の大切な役割だと思います。私もサラリーマン時代、ワクワクするようないろいろな夢をもたされました。でも、いくつ実現したのだろう?????(笑)。たぶん騙された数の方が多いと思います。

 

それでも、頑張れたのはやはり大小関わらず「夢」があったからだと思います。あなたは社員に夢を語っていますか?

 

shimadzu嶋津 良智(しまづ よしのり)

一般社団法人日本リーダーズ学会代表理事、リーダーズアカデミー学長。2度の株式上場を経験、日本・シンガポールなどアジアを中心に経営コンサルとして活動。世界14都市でチャリティービジネスセミナーも開催。最強の部下を育成し、最強の組織を作ることで業績向上に寄与する独自プログラム『上司学』が好評を博す。著書累計は100万部超。韓国・中国・台湾でも翻訳されている。

リーダーズアカデミーウェブサイト:www.leaders.ac

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.263(2014年08月18日発行)」に掲載されたものです。

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