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ビジネス4賢者が送る、成功への道しるべ

2014年8月4日

プレゼンテーション編〈第1回〉「日々是プレゼン」の考え方が道を切り開く

●顧客への提案プレゼン
●就職面接プレゼン
●社員への方針伝達プレゼン

 

など、プレゼンテーションというのは、ここ一番の重要な局面でのものが多く、ビジネス人生を大きく左右することもしばしばあり得ます。
私は、プレゼンテーションを指導する研修講師・コンサルタントという職業柄、当然ながらプレゼンに関する相談を頻繁に受けます。その際、以下のような悩みを持つ人が意外と多いのに驚きます。
「プレゼン上達のために場数は必要だと思う。ただ、なかなかその場数が踏めない。そんな中で、どうやったらうまくなっていけるのでしょうか?」と。

 

実際、プレゼン力を向上させていくやり方はたくさんあります。プレゼンの本を読んだり、プレゼンクラブに入ったり。ただ、その前に認識を改めることが必要です。プレゼンに関して、まずは以下の考え方を持ってほしいのです。
「ビジネスにおける、全てのコミュニケーションの場面をプレゼンテーションと思って臨もう」というもの。要は、「日々是プレゼン」と思おうというメッセージです。
この考え方を持てると、一気に場数が増えます。上司への報告、顧客への商品紹介、会議での発言……。そういった場を最大限活用しましょうよ、という提案です。
例えば、上司へ業務報告をする際、思いついたことをダラダラ述べるのではなく、これも立派なプレゼンだと思って、プレゼンのフォーマットに沿ってシナリオを練ってから話す。また会議で意見を述べる際、結論ファーストで述べるだけでなく、滑舌・笑顔・抑揚などを意識して行う。このようにさまざまな工夫ができるはずなのです。

 

この「日々是プレゼン」と考えることには、もう1つの大きなメリットがあります。 それは、仕事の成果向上にも直結するということ。上司への報告、クライアントへの商品紹介等を「これもプレゼンだ!」と思ってやると、漫然と行うより当然印象深く、かつ効果的に伝わる。そうすれば、相手が自分のシナリオ通りに動いてくれる確率が高まり、当然ながら成果に直結するわけです。

 

最後にこの考え方を持つことで、大きなメリットを享受できた私の例をご紹介します。
以前、外資系企業に勤めていた時のこと。外国人である直属上司とそりが合わず、困っていました。業務の報告をすると、英語での報告ということもあり、「何を言っているか、よくわからん!」と言われることもしばしば。
そこで、私は「1つ1つの報告をプレゼンと思って行おう」と決めて臨みました。すると驚くほど効果があり、その上司からの評価も急上昇したのです。
何よりもプレゼン力が大きく向上し、今の講師業につながる道筋を作ってくれました。現在、日本語のみならず、英語でもプレゼンを指導させてもらっているのですが、それもこれも、この考え方に気づけたおかげだと思っています。

 

「日々是プレゼン」の考え方は、あなたのビジネス人生を切り開いてくれるはずです。

 

 

nishino西野 浩輝(にしの ひろき)

マーキュリッチ株式会社代表取締役・チーフ講師。
プレゼンテーション(日本語・英語)や交渉術、リーダーシップなどのコミュニケーションが専門領域で、年間150日以上の研修を行う。著書は12冊。グローバル人材育成にも注力しており、シンガポールで定期的に研修を行っている。

ウェブサイト:www.mercurich.com

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.262(2014年08月04日発行)」に掲載されたものです。

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