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シンガポール不動産「耳寄り情報」

2019年11月25日

2020年のシンガポール不動産賃貸市況

住宅賃貸相場は『じり高』

 街を歩けば、あちらもこちらも古い住宅・オフィス・モールなどの建て替え工事だらけ。その結果、2020年通年では、取り壊しによる集合住宅賃貸戸数の減少から、特に家探しのピークシーズンである2月~4月に、住宅家賃の急騰が懸念されます。その後、2021年以降に新築物件が順次竣工してくると、図「今後の民間住宅供給見通し」にもあるように供給が増えて、今度は相場が反転下落に向かう可能性があります。

 

 
2019年Q3末の民間住宅総戸数:37万2,085戸 集合住宅:29万8,739戸 土地付き住宅:7万3,346戸
年間需要増:1万3,665戸(過去5年平均)

 

生まれ変わるパークウェスト

 1986年に竣工したパークウェスト(Park West)は、クレメンティの日本人小学校にも近く(当時はチャンギ校開校前)、西部のジュロン工業団地に通う方が多かった日本人駐在員の通勤にも便利で、当時大変な人気を博していました。大きなプール、テニスコート、BBQ施設完備で、日本では味わえない余暇が、敷地内で簡単に楽しめました。社宅として大量購入した日系ベアリング・メーカーなどもありました。
 

 
 数多くの思い出を残して、今年8月末には全ての住民が退去、そして取り壊し工事が始まりました。4ブロック・計432戸が取り壊され、パーク・クレマティス(Parc Clematis)という新しい名前の24階建てタワーブロック9棟と一部低層家屋を含め計1,468戸に生まれ変わります。
 

オフィス賃貸相場は横ばいか

 2017年Q2から約13%賃貸料が値上がりしましたが、不透明な経済環境から借り手の増床意欲は低いようです。また、シェアオフィス業者の拡大ブームも下火に向かうと見られ、オフィス賃貸料は、頭打ち横ばいとなりそうです。

文=木村登志郎 (パシフィック不動産株式会社CEO、シンガポール宅建士)

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