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2017年6月23日

ノビーナ

政府が掲げる「HealthCity Novena」プラン、今後も医療機関を整備

医療機関が多く集まっていることも、ノビーナの大きな特徴と言える。2005年にはノビーナ・メディカルセンター、2011年にはノビーナ・スペシャリストセンターがそれぞれ開設しており、これらの建物には日系のクリニックを含む多数の医療機関が入居して、さまざまな医療ニーズに対応している。

 

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街の中心部には、政府系の大型医療機関であるタン・トクセン病院(TanTockSeng Hospital:TTSH)がある。同病院に勤めるChenJiayiさんによると、同病院はシンガポールで最も古い歴史を持つ医療機関のひとつ。1844年、商人で慈善活動家であるタン・トクセン氏の寄付により、貧しい住民に医療サービスを提供するため、チャイナタウン近くのパールズヒルに病院が設立されたのが始まりだ。その後TTSHは1909年にノビーナへ移転、現在の規模にまで発展していった。

 

323web_Novena6_IMG_9240ノビーナでは、今後さらに多くの医療関連施設が建設される見通しだ。シンガポール政府は2013年に「HealthCityNovena」プランを発表、2030年までにTTSHの周辺に感染症や皮膚病に関するケアセンターや教育・研究機関を一体的に整備する計画を掲げており、現在もTTSH周辺では関連施設の工事が進んでいる。2030年までには、ノビーナの医療機関におけるベッド数は、シンガポール全体の4分の1にまで増える見通しという。またノビーナには、オアシアホテルといった宿泊施設も複数あるため、メディカルツーリズム(居住国とは異なる国・地域に渡り、高度な医療サービスを受けること)による患者の受け入れ先としての役割も期待されている。

 

他のエリアに比べて目立った観光名所は少ないものの、都心部にも近く、買い物スポットや医療機関も充実しているノビーナ。同エリアのコンドミニアムには、古くから日系企業の駐在員らが多く住んでおり、日本人にとっても暮らしやすい環境が整っていると言えるだろう。シンガポールで住居を探している人は、同エリアの物件も候補に加えてみてもいいかもしれない。

 

ノビーナのおすすめスポット
ノビーナの医療の歴史を伝える
タン・トクセン病院ヘリテージミュージアム

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323web_Novena8_IMG_9267TTSHの建物内に2001年にオープンした、同病院の歴史を伝えるミュージアム。TTSHの歴史を紹介する年表が当時の写真とともに展示されているほか、注射器や聴診器、ベッドなど19世紀頃に実際に使われていた医療器具なども見ることができる。1965年のシンガポール独立後も、同国の医療の発展に貢献してきたTTSHの歩みを知ることで、国立博物館といったメジャーな施設とはまた違った角度から、シンガポールの歴史の一端を知ることができるだろう。このミュージアムは「HealthCityNovena」プロジェクトの中にも組み込まれており、2030年までにTTSH近くに専用の建物が建設される予定だ。

住所 : 11 Jalan Tan Tock Seng, Singapore 308433
https://www.ttsh.com.sg/TTSH-Heritage-Museum

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.323(2017年7月1日発行)」に掲載されたものです。

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