2013年6月17日
思いやり
MARUSAYA SINGAPORE PTE. LTD. SALES MANAGER 坂口 朋広 業種:食品
MARUSAYA SINGAPOREは鰹節卸問屋である株式会社マルサヤのシンガポール支店として平成23(2011)年7月に設立致しました。現在はLau Pa Satにあります『丸佐屋饂飩』の運営とシンガポール島内を中心とした鰹節等の乾物の営業活動を行っております。
私が現地で採用され、シンガポールで働き始めて約1年が経過致しました。この1年間のほとんどの時間を饂飩店での業務に充ててきました。昨年7月から丸佐屋饂飩の立ち上げを行い、業務開始となりましたが、初めは現地の従業員1名、本社からのヘルプが1名と私の3人でのスタートとなりました。麺の固さ、スープのダシ感等の日々の調整に加えて現地サプライヤーとの交渉など全てが手探りの状態でした。
現在は多くのお客様に支えられてフルタイムの従業員2名とパートタイムの従業員1名の3名と一緒に日々一生懸命饂飩を作っています。
さて本題の『人材』に関してですが、ここでは私のシンガポール人に対する心境の変化を交ぜて記します。
- 最初はシンガポール人に対しての偏見があった、かもしれない
(すぐに転職する、病欠で急に休む等) - 文化の違いはあるのでそれはそれとして受け止める
- 日本であれば、日本にいるときは、と判断基準が完全に日本のままであった
- 饂飩のクオリティーはもちろん日本クオリティーにしなくてはいけない
- 色々なことが日本と違うことに最初はイライラしていた
- とにかく色々と言うのではなく、色々と一緒に作業を行うようにした
- さらに一緒に働く中でこんな事をしてあげたら喜ぶのではということをやってみた。
(バースデーカードを渡す、どこか旅行に行った時には一人ずつにお土産を買ってくる、など) - 私の心境の変化に合わせるように、従業員も素直になり何でも自発的にやってくれるようになった。イライラしていたのが嘘みたいな環境になった
相手がどこの国の人であっても、こちらが思いやりを持って接すれば、向こうも思いやりを持って接してくれるということなのでしょう。
良い人材と考えた時に英語力も確かに必要だと思いますが、それよりも相手を思いやる気持ちも持っているかどうかが、やはり一番重要ではないかと思います。
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.236(2013年06月17日発行)」に掲載されたものです。