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新規進出企業レポート

2013年9月25日

データ処分の新しいスタイル 機密情報を破棄し固形燃料へ

MAMORU Singapore Pte. Ltd.

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皆さんの会社では、業務で使った書類データなどをどのように処分しているだろうか。シュレッダーを使用、ひょっとしたら手で細かく破って捨てているという人もいるかもしれない。

 

処分したと思っていた会社の機密情報、個人情報が外部に漏れる、例えば、考えたくもないことだが、機密情報がネットで晒されるといった恐れはないといえるのだろうか。来年2014年7月にはシンガポールでも個人情報保護法(Personal Data Protection Act)が施行されることになっており、企業は情報の扱いについて、これまで以上に気を使い、責任を持たなくてはならない。このような状況の中で、企業が情報の処分を任せることができる廃棄ビジネスを手がけるのがMamoru Singapore Pte. Ltd.だ。

 

「当社の機密文書の処理用のボックス『MAMORU』を事務所に置いて、書類、プラスチック製のアクセスカードなどを捨てていただくだけで、確実に処分いたします」とMamoru Singaporeのマネージング・ダイレクター、林壮之介さん。

 

今年8月に設立されたMamoru Singapore は、日本で重要書類の機密抹消処理・保管・リサイクルを行う株式会社日本パープルのシンガポール支社。日本パープルは41年の歴史があり、企業、官公庁などを顧客に持つ。シンガポールでは、社名にも使われている「MAMORU」を企業に置いてもらうことで、機密情報の廃棄ビジネスを展開していく。

 

不要データを放り込むだけで 確実に処分する「MAMORU」

「シュレッダーを使うときには書類からホチキスやファイルなどを取り外す手間がかかりますが、『MAMORU』ならそのまま放り込むだけ。口が大きいので分厚いファイルも放り込めます。厳重に施錠され、深さも約150cmあるので外から取り出される心配もありません。回収後は途中で人が中身に触れたりすることはなく、工場に運ばれて初めて開錠し、中身を処分します」。

 

「MAMORU」で回収されたデータは工場で粉砕処分された後、固形燃料へとリサイクルされる。その固形燃料は火力発電所でバイオマス燃料の代わりとして使われ、環境への配慮と資源の有効利用を実現する。トゥアスに建設中の工場は今年12月に稼動開始を予定だ。

 

日本パープルにとっては海外初進出となるシンガポール進出には、企業の決裁権を持つ管理部門を当地に置く企業が増えてきたことが理由の一つとしてあるという。

 

「ある外資系企業の方から、早くシンガポールに 進出してほしいといわれたことがあります。情報廃棄を安心できる会社に任せたいとのことでした。当社は外部の業者に業務を委託しません。すべての工程を当社のスタッフが行います。このような点も信頼につながっていると思います。日本のノウハウを活用しつつ、シンガポールでビジネスを国際レベルに高めていきたいと思っています」。

会社プロフィール

MAMORU Singapore Pte. Ltd.の親会社である株式会社日本パープル(本社・東京都港区)は1972年設立。重要書類の機密抹消処理・集荷・リサイクル、文書の保管などを手がけている。機密抹消の対象となる媒体は書類だけでなく、CD-ROM、パソコンのハードディスク、販促ツール、さらに企業のユニフォームなども含まれる。

MAMORU Singapore Pte. Ltd.
80 Robinson Road #10-01A Singapore 068898
TEL:6420-6813

 

取材後記

ニュージーランドのクライストチャーチの高校に通ったという林さん。「当時の英語力が今も残っているか疑問ですが……」。

スポーツやレジャーを楽しむよりもカフェでのんびりしてリラックスするのが好きなのだそう。

家族をシンガポールに呼び寄せることも考えているそうです。「もうすぐ3人目の子どもが産まれるので、どうしようか検討中です」。

 

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80 Robinson Road Singapore 068898

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