2025年7月1日
マレーシア、VEP義務化を7月1日から本格施行、シンガポール車両に罰金続出
7月1日午前0時、マレーシア当局は、シンガポールから入国する車両に対する「ビークル・エントリー・パーミット(VEP)」義務化を全面的に施行した。これに伴い、開始から1時間で10台のシンガポール登録車が罰金処分を受けた。
施行初日、ジョホールバルのCIQ(税関・入国管理・検疫)複合施設では、55人の道路交通局(JPJ)職員が検問を実施。VEP未登録の私有車両を路肩に誘導し、その場で300リンギ(約S$91)の罰金を科した。
最初に取り締まりを受けたのは、夜食のために親族とジョホールへ向かっていた19歳のシンガポール人学生、サフィール・ファルハン氏。事前登録は済ませていたが、タグの受取が間に合わず、罰金支払いで15分の足止めとなった。
VEPは2024年10月に導入されたが、当初は警告のみで運用されていた。2025年6月、アンソニー・ローク運輸相は「十分な猶予を与えた」と述べ、7月1日以降の厳格な運用開始を明言した。その発言直後から、シンガポール・ジョホール両地のVEPセンターには申し込み希望者が殺到。6月30日夜、ジョホール・ダンガ湾のTCSensセンターでは、数十人が長時間待機していた。
JPJのアエディ局長によると、6月29日時点で24万8,504台のシンガポール私有車がVEP登録済みで、そのうち17%が未アクティベート状態。また、企業車両については3,765台にタグが発行されており、未認可の申請車は警告のみとするが、未登録の企業車両には罰金と登録完了が求められる。
「大半のシンガポール人はルールを守っているが、ごく一部に対しては厳格な対応が必要」とアエディ局長は語る。VEPは2017年に構想され、2019年・2020年に延期された末、ようやく全面施行に至った。
罰金の支払いは現金不可で、JPJカウンター、移動カウンター、またはオンライン(MyEG)で対応可能。VEPに付随するRFIDタグは、マレーシア国内での交通違反履歴の追跡と、未払い罰金の管理にも使用される。今後、国境ゲートでの混雑回避のため、取り締まりは国境外で実施される方針である。