2025年6月19日
射撃訓練区域で自転車男性が被弾 故意の不法侵入で捜査中
シンガポール最大の自然保護区であるセントラル・キャッチメント自然保護区(CCNR)内の制限区域で、射撃訓練中にサイクリストが銃弾を受けて負傷した件について、警察はこの42歳男性に対し「故意の不法侵入」の容疑で捜査を進めていると6月18日に発表した。
事件は6月15日、アッパーセレター貯水池とアッパーピアス貯水池の間で発生。被害者は制限区域内であるにもかかわらず自転車に乗っていた。この地域はシンガポール国軍(SAF)の実弾射撃訓練区域として法的に指定されていた。
訓練は、被害現場から約2.3km離れたニー・スーン射撃場で行われていた。男性は左下背部に銃弾を受け、弾丸が体内に残ったまま、友人により国立大学病院(NUH)に搬送された。命に別状はなく、手術によって銃弾は無事摘出された。
国防省によれば、軍事演習法に基づき、訓練区域内への無許可立ち入りは安全上の理由から禁止されており、現地には立ち入り禁止を示す明確な警告看板が設置されていた。
この区域には「ウッドカッターズ・トレイル」と呼ばれる非公式の人気サイクリングルートが存在し、急勾配や曲がりくねった道が特徴。利用者は通常、ブキパンジャン近くのチェスナット自然公園からスタートし、マンダイ火葬場またはセレター貯水池方面へ抜けるが、その通路は明確に「制限区域」として表示されている。
現地には実弾射撃の警告や立ち入り禁止を促す看板が多数設置されていたが、それを無視するサイクリストやハイカーも見受けられた。
故意の不法侵入は、「雑則法(治安および迷惑行為関連)」により、最大で1,000Sドルの罰金が科される可能性がある。警察は引き続き事案の詳細を調査している。