2025年6月17日
禁域サイクリング中に被弾、男性が背中に銃弾受け重傷
6月15日、シンガポール最大の自然保護区であるセントラル・キャッチメント自然保護区(CCNR)内の立ち入り禁止区域で、サイクリング中の男性が実弾を受け負傷した。国防省(Mindef)によれば、当該地域ではシンガポール軍(SAF)の実弾射撃訓練が実施されていた。
負傷した42歳の男性は、午前11時40分頃、仲間とともにアッパーセレター貯水池とアッパーピアス貯水池の間にある制限区域内で自転車に乗っていた際、左下背部に銃弾を受けた。弾丸は体内に残っており、搬送先の国立大学病院で摘出手術を受けたが、命に別状はなく容体は安定している。
当時、現場から約2.3km離れたニー・スーン射撃場ではSAFの許可された実弾演習が行われており、訓練は現在中止されている。軍事演習区域への無許可立ち入りは軍事機動法により禁止されており、現地には警告看板も設置されていたという。
現場付近の「ウッドカッターズ・トレイル」は熟練サイクリストに人気のルートで、急勾配のある地形が魅力とされていた。だがこのルートは明確に制限区域内にあり、複数のサイクリストがNParks(国立公園局)職員により取り締まりを受けているとの証言もある。
NParksは、自然保護区や公園では指定トレイルの利用を呼びかけており、これに反する行為は自己の安全を脅かすだけでなく、生態系にも悪影響を及ぼすと警告している。
シンガポール自転車連盟(SCF)も、「安全が最優先であり、すべてのライダーはルールを守るべきだ」との声明を発表。現在、警察とSAFによる調査が進行中であり、事件性はないとみられている。